内容説明
失われた日本の心の語り部としてひとり傷つきながら、熱く人生を駆け抜けた画家がいた。三回忌記念刊行、生涯にわたる制作の軌跡を一望、待望の初作品集。
目次
WORKS
「けもの」の愛おしさ、いたましさ(盛田隆二)
かぐや(藤沢周)
瓜南直子の中の「日本」(富岡幸一郎)
まぼろしの国へ(城戸朱理)
瓜南直子の世界(土方明司)
著者等紹介
瓜南直子[カナンナオコ]
1955石川県に生まれる。1981東京芸術大学美術学部工芸科(鍛金専攻)卒業。2012、6月4日没。享年56歳。個展多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yn1951jp
36
彼女は《かぐや》の一人だった。「兎神とは月…ここは月に護られた国…ひのもと日本に寄りそうように、ひっそりと存在する国。日本のB面「兎神国」は、時を越えて生きる日本の精神を司る国…私はいまだ旅人…記憶をつむぐように、地図をなぞるように、聞こえたものを見えたものを描く。日本の天も空も海も山も草も花も人の心も、そのどれにも女はかかわってきた。大きな力であった」万葉の始原的な両性具有の童女が兎に姿を変え、山河と溶け合い、神仙と霊獣が一体化した自らの体内に流れる日本という大いなる河を描いた兎神国の絵師は月に帰った。2015/11/16
蘇芳
1
このふくよかな感じ、有元利夫系。2018/07/29
kiko
0
作者は故人と知っていたけれど、宗教画を思わせる絵がせつなかった。2023/02/08