内容説明
江戸時代に大人から子どもまで広く庶民に流行した「絵で見るなぞなぞ」、“判じ絵”。本書では、浮世絵師が趣向を凝らした様々な図柄と遊び心が詰まった珍問・難問およそ500問をいろは順に分類してご紹介。江戸名所、東海道の宿場名、勝手道具、草花、食べもの、動物、魚…。答えは身近なものばかりです。頭文字をヒントに、想像力を豊かにして、さあ、これを判じてごろうじろ。
目次
1 判じ絵の「い・ろ・は」
2 いろは判じ絵
3 山口晃×岩崎均史―先生と画伯の判じ絵あれこれ
著者等紹介
岩崎均史[イワサキヒトシ]
1953年、北海道生まれ。國學院大学文学部卒業後、たばこと塩の博物館に勤務。2014年3月まで同館主席学芸員。同年4月より練馬区立石神井公園ふるさと文化館館長。学習院大学、成城大学の非常勤講師など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
67
絵に描いたダジャレ。見れば見るほどシュール。これは江戸の人々の知的急所をくすぐっただろう。とにかくありえないシーンが浮世絵調で登場。答えようと苦しまなくても、絵を楽しめたのでは? 起源はわからないというが、町人文化が花開いた19世紀初頭ごろかも。収録されたのはすべて幕末の約20年間のものだが、よく残っていたものだ。解説と対談がありがたい。浮世絵が陶磁器の包装紙だったという俗説を根拠をあげて否定しているのが耳新しい。なるほど。今はわからなくなった道具の名に時の推移を感じるが、知的遊戯への関心は今も同じだ。2020/07/15
ひらちゃん
59
ほぼほぼ分からない。今で言う謎解きみたいなジャンルだけど、当時の絵が何を指すのかが難しいね。桜の真ん中が抜けた絵で丸?あ、輪っかね。で、さわら(鰆)とかね。鶴の半分と雉でつきじ(築地)とか。解説読んでやっと分かる程度です。なぞなぞ、洒落、まぁ戯作者の腕で差もでるでしょうね。当時は大人の遊びだったと思うと面白い。2021/05/02
あっか
50
ナゾトレで時々見てたので気軽な気持ちで手に取りましたが、これが結構難しい!!多分今の子どもじゃ無理では!?でも慣れてくるとパターンも分かり、絶対に解きたくなるくらいクセになります^^それにしても、屁の多様性。笑 巻末の対談で「判じ絵は理不尽なもの。不条理の最たるもので、そこに理屈はない」とありましたが本当にその通り!笑 こんなにいっぺんに判じ絵を見たことがないので楽しめました。2018/08/17
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
48
江戸時代に描かれた錦絵の一種『判じ絵』をまとめた文庫サイズの本。判じ絵とは絵解きのなぞなぞで、カバー表紙にもあるように、蝦蟇が茶をたてる絵で『茶釜』とか、頬に蝶々がとまって『包丁』、子供の顔が鯛で『太鼓』などなど。表紙になっているものはまだ上等な方で、いざ中身を見ると、巻末の著者との対談で山口晃が言っている通り「…なんていったらいいのでしょうね、作者をつかまえてきて、がーんとどつきたいようなこの感じ(笑)」という絵が目白押しである(笑)。全編カラーでレイアウトが良いのが気持ち良い。楽しい一冊。2014/06/05
どぶねずみ
45
江戸時代のなぞなぞ。あるクイズ番組で見たときは現代風にアレンジして描かれていたので簡単に解けて面白かったが、この本では解釈が難しいものが多い。当時の一般家庭で利用されていた台所道具や、今では使われていないもの、名前の知らないもの、見たことすらないものが出てくるので、答えられなくて当然。割りと下手な絵師たちが子ども向けに判じ絵しか書かせてもらえなかったようで、絵に対する解説も残っていないわ、下手すぎて解りにくいわで、四苦八苦する。これも江戸時代の文化の一つだと思って見ると、とても感慨深い。2019/05/29