内容説明
日本で古くから描かれてきた妖怪画。不安や畏れといった心象に深く根ざしているにもかかわらず、なぜか日本の妖怪画は恐くない。むしろ生き生きと陽気で、愛嬌たっぷりなのだ。時代の大きな転換期に盛んに描かれてきた妖怪画は、現代を生きるわたしたちの目にいかに映るだろうか。「百鬼夜行絵巻」をはじめとした妖怪絵巻物15本、序文:辻惟雄/特別対談:辻惟雄×板倉聖哲を収録。
目次
序 妖怪画はどこから来たのか?(妖怪画の系譜(辻惟雄)
描かれた妖怪―その祖型をめぐる(辻惟雄×板倉聖哲))
第1章 妖怪たちが行く(百鬼夜行絵巻―大徳寺真珠庵;百鬼夜行絵巻(百鬼ノ図)―国際日本文化研究センター ほか)
第2章 妖怪絵巻を読む(酒呑童子絵巻―國學院大学図書館;稲亭物怪録―広島県立歴史民俗資料館 ほか)
第3章 妖怪博物館(化物づくし絵巻B 湯本豪一コレクション;化物づくし絵巻A 湯本豪一コレクション ほか)
巻末付録 妖怪カタログ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもい
14
取り上げている絵巻の数は多いが、ページをまたいで寸断されていたりとにかく押し込んだと言う印象。冒頭の対談は面白いが各絵巻の解説は物足りない。しかし大きさ、厚みが手に持っていてとてもしっくり来るほど良いサイズ。つらつら眺めるには良い本。2015/10/17
青葉麒麟
13
極彩色の妖怪が沢山。一寸は不気味だけど、全然怖く無いし、寧ろ滑稽。ギラギラしたエネルギーを感じる(^-^)2012/07/21
白黒豆黄昏ぞんび
12
妖怪たちの姿が実に愛らしく、微笑ましくなります。ちっとも怖くないんですよ。お友達になりたい妖怪ばかり。一緒にそぞろ歩きするとさぞ楽しいだろうな。2013/06/23
m
9
高台寺で百鬼夜行絵巻を見て興味を持った。付喪神という考え方が日本的で好き。妖怪たちはどこかユーモラスで全く怖さを感じない。こんな妖怪だったら会ってみたいな(笑)源頼光の妖怪退治の話をもっと知りたい。第2巻もあるようだが、読まなくてもいいかな。2015/09/13
noko
5
高台寺で百鬼夜行展を見てきました。その復習の為読みました。この本は日本にある、様々な百鬼夜行や妖怪の類が出てくる本を解説、一部をカラーで見られる本です。妖怪や幽霊は中国由来。幽霊は南北朝時代に出てくる。妖怪は一世紀には出てくる。巻末の方には妖怪カタログがあり、面白い。『稲亭物怪録』は少年が妖怪をどんどん退治していく話。『酒呑童子絵巻』は、源頼光が鬼の大将を倒しにいく有名な話。ずっと変わらない人気の話で同じ題材の絵が沢山ある。大徳寺真珠庵の百鬼夜行が最古で百鬼夜行の源流と言われているそうだ、見てみたいな。2021/09/06
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