内容説明
大衆芸能の醍醐味は“ライブ”にあり。歌舞伎・見世物・落語…大江戸エンタテインメントを一挙紹介。
目次
第1章 そこに観客がいた―観客あっての大衆芸能
第2章 歌舞伎の世界
第3章 見世物の世界
第4章 落語の世界
第5章 つながる、ひろがる、江戸の流行
第6章 江戸ではないもの
著者等紹介
川添裕[カワゾエユウ]
1956年横浜生まれ、横浜在住。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。平凡社の編集者を経て、皇學館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
261
かなりよく編集された江戸の芸能紹介本。図版もたくさんあり、そのお蔭もあって、臨場感を持って客席の興奮が伝わってくる。劇場を描いた絵は、思いの外に浮き絵(西洋風の遠近法を用いた絵)の技法を用いたものが多かった。とにかく、客席と役者の距離の近いのは現代の歌舞伎との大きな違い。琴平の金丸座に行けば実感できるが、花道(ちなみにこれは歌舞伎の発明)などは、客席の中といった配置である。見世物、落語、軽業、珍獣と、江戸の大衆娯楽は花盛り。また、よくぞこれだけ貴重な絵が残ったもの。編者(川添裕)のセンスも光る。 2024/10/14
oldman獺祭魚翁
37
図書館本 図版も多くなかなか見応えがある。江戸での人気芸能はやはり一番は歌舞伎だった。次が見世物、落語への記述はあまり多くはない。やはりビジュアル的な面で落語は資料も少ないのだろう。まぁテレビも映画も無い時代なのだから、歌舞伎が人気が有るのは当然だろう。面白いのは絵面で見る歌舞伎の舞台が、シェークスピアの舞台と通じる部分が見られる事で、平土間と桟敷席の関係や張り出した舞台など、交流が有ったとは思えないのに不思議だ。これに関しては、もう少し調べて行きたいと考えている。2016/09/25
冬見
11
江戸時代の歌舞伎、落語、見世物のそれぞれとその関係。浄瑠璃と歌舞伎はセットで語られることが多いけどこの組み合わせは新鮮。どれか一つが他を牽引しているのではなく、それぞれ影響を与え合い、ブームを、文化を作り上げてゆく。林屋正蔵の話がおもしろかった。花火を描いた浮世絵にのぼりが描き込まれてるって、よっぽど流行っていたんだろうなあ。浮世絵の図版を中心に説明がなされていて、どのページも華やかで楽しい。2018/11/13
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