内容説明
原子力への懐疑心と高騰する燃料費。人口２５％減、高齢化４０％―２０５０年、日本の地域の半数が消滅している。
目次
第１章 国土の長期展望―２０５０年、地域経済はこうなる（２０５０年、日本の地域の半数は消滅する；高齢化だけではない、市場原理が導く人口減少 ほか）
第２章 生活者のための経済活動のススメ（新築戸建を買っても資産にならない！？；ドイツ、新築市場の崩壊とリフォーム市場の台頭 ほか）
第３章 企業・行政のための経済活動のススメ（小さな村の小さな銀行；「村のお金は村に！」 ほか）
第４章 地域経済にかかわるすべての人へ（人類の幸せのためのお金の流れ；脳内革命はエネルギー改革を生む）
著者等紹介
村上敦［ムラカミアツシ］
都市計画・環境ジャーナリスト。ドイツ在住。日本で土木工学を修めゼネコンに勤務したのち、環境問題を意識し、ドイツ・フライブルク大学に留学。フライブルク地方市役所・建設局に勤務ののち、フリーライターとしてドイツの環境施策を日本に紹介。南ドイツの自治体や環境関連の専門家、研究所、ＮＰＯなどとのネットワークも厚く、日本の自治体や企業への環境コンサルティングを行う。専門分野は、環境に配慮した自治体の土地利用計画、交通計画、エネルギー政策（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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C-biscuit
6
会社の本。発電がお金になるイメージで読み始めたが、実際はかなり環境や地域の活性化などに力を入れた本である。特に、少子高齢化をむかえ、今後地方自治体が消滅していくものに対してどのようにしていくのが良いのかを提案している。特に著者がドイツに在住し、ドイツで学んだこともあることから、ドイツの事例が盛り込まれている。特にドイツでは住宅の断熱性能が高く、日本より寒冷な気候であるが、室内温度をより快適な状態にできているとのこと。刑務所のトイレでさえ日本の冬を上回る環境であるとのことで、断熱性能の向上は必須と感じた。2016/12/15
あやさと（彩里）
1
人口減少社会、過疎が進むことでライフラインを維持することも困難な地域が増えていく。 今なら踏みとどまれるために、備えなければならずその提言の本。金や仕事が地域に還元されることがなければ、地域の衰退は進んでいく。地産地消 その根源にエネルギーを置いている。サステナビリティは自然もだが、地域を維持できなければ衰退していく。 ドイツだから出来ている、日本の計画性のなさ、近視眼、利権主義的な対応の弊害など、視野が広がった気もする。この通りの対応などできないかもしれないが、一読一考くらいは求めたく感じた。2021/05/03
Tsutomu Yamamura
1
ある団体の方から頂いた本。人口減少社会における（中央ではない）地域の生き残り戦略として、ドイツのエネルギーシフト政策・取組を紹介。地元業者が行うリフォームにより住宅の断熱性を上げて、燃料自給率を上げ地域外に流出する燃料代を減らす。金の流れで見ると、将来節約できる燃料代を先食いし地元業者に工賃を支払うことにより、地域内の経済循環を高める。できるだけ地域に残るような金の使い方を考える。その標的がエネルギーだ。確かにそのとおりだと思うし、ドイツで実現できていること。まさに里山資本主義ですね。2014/08/21
健康平和研究所
0
寒いドイツのエネルギーの最優先課題は冬の暖房に使う燃料代を減らすための省エネで、家の断熱性能を上げる改築の仕事は地域の雇用を作りだし、燃料の自給率を上げて域外への燃料代の流出を防ぎ、それが地域経済の生き残りに貢献する。地域でお金が循環するしくみ。家の燃費という概念。選挙制度の紹介などもあった。わが家の断熱性能を上げる改築をしたくなった。 ドイツのエネルギー自立への優先順位の１位 省エネルギー政策、２位 エネルギー高効率化対策、３位 再生可能エネルギーの熱部門の推進と、再生可能エネルギーの発電部門の推進2013/04/04
Tomoya Ono
0
国土の長期展望（2011）が示す「2050年までに国土の6割以上の地域（66.4%）で人口が半数以下になる」という文章は何を意味し、何を引き起こすのか。今後、急激に過疎化・超高齢化が進むと考えられる地域では「エネルギーを地域で流通する貨幣」とみなすことで活性化が狙える。省エネ・高効率化・再エネによる熱利用、そして再エネによる発電事業を地域にお金がインプットされる形で行い、地域経済を活性化させる。その成功モデルをドイツから紹介。2012/11/01
