内容説明
ウミガメから見えてくるヒトと生物の関係―。長年、日本のウミガメ界を牽引してきた亀崎直樹が贈る愉快で胸打つ55の話。
目次
第1章 砂浜のはなし(砂浜という不安定な環境;砂浜の植物 ほか)
第2章 ウミガメのはなし(ウミガメは子供のために砂浜を選ぶ;生まれたところに産卵に帰るのか ほか)
第3章 ウミガメとヒトのはなし(アカウミガメはなぜ減ったのか;アオウミガメの貴重な資料“東京・小笠原” ほか)
第4章 鹿児島のはなし(鹿児島県ウミガメ保護条例;鹿児島大学ウミガメ研究会と保護の文化 ほか)
著者等紹介
亀崎直樹[カメザキナオキ]
1956年、愛知県豊橋市生まれ。鹿児島大学水産学部卒業後、名古屋鉄道(株)に入社。南知多ビーチランド、八重山海中公園研究所で勤務ののち京都大学大学院人間・環境学研究科で学位取得。河合塾(生物講師)、日本ウミガメ協議会(会長)、東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻(客員教授)、神戸市立須磨海浜水族園(園長)、岡山理科大学生物地球学部(教授)などを歴任。南知多ビーチランドでウミガメと出会い、それ以来ウミガメの自然史を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itokake
12
研究者が一般向けに書いた本。玉石混合。巻頭の著者を中心にした数々の写真にまず違和感。ファンブックじゃないんだから、家族写真や酒席の写真には興味ない。本文も何を言いたいのかわからない部分が多い。砂浜が浸食されていく話や地元の人々のカメ話など、面白い部分もある。で、結局は日本でウミガメを保護するべきか否か?その大事な部分がよくわからなかった。遠州灘の自然保護NPOをボロクソに批判するが、鹿児島の保護条例は絶賛。自分の論文が受理されなかったのはべっ甲産業がある日本人だからって、そういう話は酒席でどうぞ。2025/06/30
海星梨
5
タイトルの博物学って時点で悪い予感はしてたけど、ウミガメの生態とか読みたい話は全くなかった。おじいちゃんが「昔の教育は良かった」とか「行政は動かない」とか「日本は海外の良いところは取り入れない」とか「遺伝子学はダメ」ってぼやいているだけ。誰向けに書いてるのこれ?2025/06/04
すうさん
1
前半はウミガメが繁殖する海浜についての考察。港を整備することで多くの砂浜が失われた。それを補うため離岸堤などを増設するが、無駄な公共投資を繰返している実態を説明。後半はウミガメの種類や生態、カメを取り巻く地域の歴史の話。ウミガメが重要な食料資源となってきた地域の暮らしを簡単に法律で縛ることにも一石を投じる。単に共生というだけでなく人間の暮らしや文化、地域の歴史にも言及することで本書が単なる博物誌ではなくなる。読み物として面白いがウミガメの生物的生態だけでなく、人類の自然環境の未来も考えさせられる本だ。2025/05/29
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