内容説明
耳が聞こえることよりも波乗りを選んだ、プロボディボーダー甲地由美恵の物語。
目次
ココロが聞こえる
寒い冬の想い出
大きな木の下で
自然のそばに
ちいさいころ
海との出逢い
波乗りデイズ
20歳の決断
願いごとはひとつだけ
音のない世界
ひとり旅
自然は知っている
信じる道
一歩ずつ前へ
世界を目指して
生まれてきた理由
海と季節
夢に見た場所
ココロを開いて
シャワーレイン
ダブルレインボー
海との対話
チューブの先に見えたもの
夢は手のひらの中に
支え合う気持ち
からっぽになるまで
しあわせのカタチ
おわりに
著者等紹介
甲地由美恵[コウチユミエ]
1973年10月4日東京都生まれ。千葉県在住。2歳のとき、感音声難聴にかかり両耳の聴力をほとんど失う。18歳の時にボディーボードと出逢い、28歳でプロテスト合格。2006年の世界ツアーでは、1年目にして日本人最高位という快挙を成し遂げた。戦歴―2005年世界初のWDSA(世界聾者サーフィン大会)オーストラリア大会にて優勝、2006年T&C surf women’s pipeline pro9位入賞、ハワイチョロズウーメンパイプラインプロ5位入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうき
5
感音性難聴なことや読唇術を使いこないしていることからもかなり聴覚活用の難しい聴力なのかなと思う。一般校での生活はかなりきつかっただろうし、かなり頑張ったんだろうと思う。私は人工内耳より海を選んだ作者の気持ちがよく分かる。聞こえないことに抗おうとするというのは、ある意味聞こえない自分への否定でもあるから。海で生きる道は、ありのままの聞こえない自分が、1番自分らしくいられる生き方やったんだろうなぁ。「心をオープンにしてからというもの、私の世界は少しずつ広がっていった。」「No rain,no rainbow」2016/09/20
りす(*´ω`*)
0
わたしはその2択なら、ぜったいに音のある世界を選ぶ。迷わずです。だから、不自由のない生活、音のある安心、そういうものに勝る大事な存在が見つかったゆみえさんが、少しうらやましいなと思いました。彼女は海と出会うために、聞こえづらい耳を持って生まれてきたのかもしれない。神さまなんて普段全然信じてないけど、彼女に関しては純粋にそういうふうに感じました。わたしの宿命はなんだろう?どんなに小さくても、これだって言えるものが見つかるといいな。2012/12/23
クロ
0
人工内耳の手術をすれば健聴者と同じ音ではないが、補聴器なしで聞けるようになる。しかし、手術をすると激しいスポーツは一生出来なくなるという条件下で著者は決断を下さねばならなかった。この本全体を通して言えるのは、とにかく著者の家族がかけた言葉が秀逸であったということと、著者はどんな時でも前進し続けたということ。しかし、決して超人ではなく、私達と同じ様に葛藤し、笑い、泣く。だからこそ応援したくなる。2012/06/21