内容説明
民衆に触発された植民地朝鮮の文学世界。“近代朝鮮文学は民衆の力を感知する感性の鍛錬現場であった。”日本語の研究ではあまり扱われてこなかった作家や雑誌も取りあげ、日本における朝鮮文学・韓国文学の認識を一新、画期的役割を果たす一冊。
目次
序章(問題提起と研究視角;本書の民衆概念と研究対象;先行研究の検討;本書の構成)
第1章 三・一運動と民衆に触発された文学(頭のなかの民衆;発見された民衆、知識人の羞恥と自責)
第2章 プロレタリア文学の大衆化とルンペン・プロレタリア(感覚の革命と大衆化―「意識化」の外;負債の力―蔡萬植のルンペン・プロレタリアと農業労働者;「形象」と社会主義リアリズム―林和の大衆化論)
第3章 去った者たちの生活と民族(虐殺とスティグマ―関東大震災と朝鮮人の生;「万歳後」あるいは余震―廉想渉の絶対的平等;ヒエラルキーとレイシズムを解除する―東京の東南地域文学と金史良)
第4章 動員される民衆―李箕永(敵対性と転向の問題;健康な労働者の系譜;再配置―ごみ、民族、敵対性)
終章
著者等紹介
影本剛[カゲモトツヨシ]
朝鮮文学専攻・大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。