内容説明
「メキシコの寂れた農村を複雑でユニークな仕方で描いた作家」として文学史に名を残したフアン・ルルフォ。現実の土地にまつわる声と記録を重ね合わせて物語を紡ぎ出した彼の制作法の鍵を、「権力」「場所の表象」「出来事のフィクション化」「語りの技法」という切り口で読み解く。
目次
第1部 権力とラテンアメリカ小説(記録とルルフォの創作;国民的作家の創造 ほか)
第2部 場所・記録・創作(初期の紀行文;都市の孤独 ほか)
第3部 出来事をフィクション化するための試み(革命を書く―短篇「燃える平原」;自伝的要素とフィクション ほか)
第4部 語りを用いた手法の確立(主観と場所;声の操作 ほか)
著者等紹介
仁平ふくみ[ニヒラフクミ]
京都産業大学外国語学部准教授。文学博士(東京大学)。専門はスペイン語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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