内容説明
ホメロス『オデュッセイア』からカズオ・イシグロ『日の名残り』まで。古代から現代にいたるヨーロッパの“古典”に光を当て、再創造としてのアダプテーションによって新たな魅力を帯びることを明らかにする。アダプテーションを実践している映画監督(ジョン・ウィリアムズ氏)、翻訳家(鴻巣友季子氏)、劇作家(前川知大氏)らの寄稿も収録。
目次
序論 ヨーロッパ古典文学を“再訪”する
第1部 総論(講演ジェンダーの観点から読む世界文学 男たちが描いてきた女性像―二〇二〇年一一月二六日;文学の映画化は「不純」なのか―ヨーロッパ映画におけるアダプテーション;ヨーロッパ名作文学の漫画化における三類型―『クラシックス・イラストレイテッド』から『ピノッキオ』まで)
第2部 アダプテーション各論(『ジェイン・エア』のアダプテーション―フェミニズムとウルフの両性具有的視点;エリオット『ポッサムおじさんの猫とつき合う法』とミュージカル『キャッツ』;生々流転する『ユリシーズ』の世界―映画から漫画、グラフィックノベル、VRまで;カズオ・イシグロ『日の名残り』とマーチャント・アイヴォリー映画考;ライシテの国のアンティゴネー―〈他者〉のゆくえ;ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』のアダプテーションをめぐって―文化の受容と再生;ヴィクトル・ユゴーと映画―怪物から聖人へ;ミュンヒハウジアーデとアダプテーション―《驚嘆すべき》「ミュンヒハウゼン」ミームの変容について;タヴィアーニ兄弟『素晴らしきボッカッチョ』―ペストをのりこえて;ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』―重さと軽さの反転;ふたつの『クロイツェル・ソナタ』―トルストイとウグレシッチ)
第3部 アダプテーション制作者の立場から(カフカの小説Der Prozessを日本語映画『審判』に翻案する―私はアルゴリズムではない;インタビュー『ロミオとジュリエット』の小説アダプテーションにおける“貞節”と“裏切り”;ホメロス『オデュッセイア』を現代演劇に―英雄の旅にみる人類の成長と思春期)
あとがき 原作とは別のところに行く/原作に立ち返る「アダプテーション」
感想・レビュー
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amanon
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