内容説明
人間を動物と同様に扱おうとする「種差別批判」に潜む優生学的思考の問題を明らかにし、人間同士の関係の質の多様さと深さに着目。障害の有無にかかわらない人間の道徳的平等に基づいた民主主義論を展開する。文学が道徳哲学に対して果たす役割を説き、核兵器・地球温暖化などの人類の存続にかかわる喫緊の問題についても真摯な考察を促す。
目次
第1部 人間であることの道徳的意味(種差別批判に対するバーナード・ウィリアムズの批判―道徳哲学に関する本書の基本的立場;魔術からの解放後の道徳哲学の在り方―今・ここに生きる人間の視点;ウィトゲンシュタインとシモーヌ・ヴェイユとストローソンの洞察―魂に対する態度と相互性;コーラ・ダイアモンドの立場―想像力の役割;道徳哲学における文学の貢献と優生思想―共通の人間性と他者の絶対的他者性;アイリス・マードックの哲学―その基盤的重要性;経験科学が具体的事例を通じて示すもの―人間の絆の重要性)
第2部 目指すべき民主主義―平等な参加
第3部 民主主義の実現の緊急性―人類の危機(核抑止論の致命的結果;なすところなく破滅への道を歩む私たち―気候変動・マスメディア・民主主義的徳性;民主主義のインフラの整備―余裕と相互信頼;現実の困難さと向き合うこと―人々の連帯)
著者等紹介
浜野研三[ハマノケンゾウ]
1951年生まれ。ペンシルベニア大学Ph.D.関西学院大学文学部教授。専門は心の哲学、生命倫理、道徳哲学、政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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