出版社内容情報
教育における「教養」のあり方を、思想史や教育史、文化概念の問題から多角的に考察。多文化時代に人間性を養うことの意義を論じる。
まえがき(高橋輝暁)
序章 人間形成としての教養をめぐる本書の議論を俯瞰する(高橋輝暁)
第一章 人間形成としての教養―豊かな伝統をもつ将来的課題(ティルマン・ボルシェ、訳=中山純/高橋輝暁)
第二章 ハンガリーにおけるドイツの教養理念の受容と展開(ゾルターン・センディ、訳=相澤啓一/高橋輝暁)
第三章 フィンランドにおける教養理念と新大学法(エーヴァルト・ロイター、訳=浜崎桂子/高橋輝暁)
第四章 文化と形成―キケロから西田にいたる文化概念の変遷―?(ロルフ・エルバーフェルト、訳=大田浩司/高橋輝暁)
第五章 獨協大学創立者天野貞祐と教養教育(松丸壽雄)
第六章 道理と人格―天野貞祐の教育論における二つのアスペクト―?(斉藤渉)
第七章 獨協大学外国語学部における教養教育(浅山佳郎)
第八章 これまでの、そして、これからの人間形成としての教養―グローバル化と多文化共生の時代のために―(高橋輝暁)
付論? 文化、学問、教養、人間形成―四概念の関係を概念史的に繙く―(高橋輝暁)
付論? 獨協学園とドイツ―獨逸学協会の歴史から繙く―(高橋輝暁)
あとがき(高橋輝暁)
執筆者および訳者のプロフィール
高橋輝暁[タカハシテルアキ]
編集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柳田
12
現代のフンボルト研究の権威のティルマン・ボルシェ先生の論考が日本語で読めるのはありがたいが、かなり入門的な文章で、さほど新しいことが書いてあるわけではなかった。各国におけるドイツ的教養理念の受容過程などは興味深い。こういうのは自分では絶対に調べられないし。あとよく調べずに買ったのだが、半分くらい獨協大と天野貞祐先生の話だった。こういう個別の大学の建学の理念みたいなものを調べるのは教養を考える上で有用だろうし、天野先生についてはいずれきちんと調べてみたい。なんだかまじめなテーマの割に異様に読みやすかった。2018/08/17