内容説明
「あることを言いながら、別のことを意味する」アレゴリー。そこに潜む排除と抑圧の構造とは?アメリカとアメリカ文学を“ジェンダー”と“ゴシック”で読みなおす―ポカホンタス物語から『羊たちの沈黙』まで。
目次
序章 アメリカ/文学を読みなおす(「独立宣言」;“人間”/“人間ではないもの” ほか)
1 アメリカを読みなおす(女としての“アメリカ”―アメリカの「発見」とポカホンタス物語;男たちの妄想―魔女幻想とセクシュアリティ ほか)
2 アメリカ文学を読みなおす(ジャンルとジェンダー―越境するポー;詩とジェンダー―ホイットマンとディキンスン ほか)
3 ジェンダー・アレゴリー(ヘスターの「沈黙」―『緋文字』のジェンダー・ポリティックス;失敗としてのジェンダー―ヘミングウェイの男性性構築 ほか)
4 ゴシック・アレゴリー(フランケンシュタインのアメリカ―ジェイムズ・ホエールのゴシック・アレゴリー;“まなざし”の異性愛―『めまい』の危険な反復 ほか)
著者等紹介
武田悠一[タケダユウイチ]
元南山大学教授。同大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チャンドラー
2
独立宣言の「すべての人間は平等」の"人間"は白人男性を指し女性や黒人、先住民らは含まれない。アメリカは誰を排除したかによりジェンダーと人種を巡る不安に取り憑かれてきたという。また私が『蝶々夫人』が気に入らない理由が明確になった。蝶々夫人を白人美女に、米国士官をが日本人男性に置き換えて見るとアメリカ男性にとってこの美しい物語が愚かな女になるという。西洋は常に東洋を”女”として扱ってきた。弱いから保護し管理し支配する。トランプ政権の異様な白人純血主義やアメリカがアジアや後進国への介入の根源が見えた気がした。2019/03/20
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