内容説明
フランス、ドイツ、イギリス、ロシア、イタリア、ボスニアにおける作家・作品の諸相を探り、再創造としてのアダプテーションがもつ豊かな可能性を明らかにする。
目次
第1部 文学から映画へ(フランス文学から映画へ―ロベール・ブレッソンの場合;ドイツ語圏の翻案映画―ハインリヒ・フォン・クライスト『ミヒャエル・コールハース』を手がかりに;イギリスからハリウッドとボリウッドへ―ジェイン・オースティンの作品と翻案 ほか)
第2部 戯曲・ミュージカル・漫画・オペラ(翻案としての舞台上演―革命前後のロシアにおけるヨーロッパ劇;フランス・ミュージカルの魅力―二つのユゴー作品;他人の記憶を描く―フランス語圏における物語の漫画化とエマニュエル・ギベールの仕事 ほか)
第3部 再創造の挑戦(ジョルジュ・メリエスにおける「翻案」―初期フランス映画試論;コウルリッジの「生の哲学」―イギリス・ロマン派詩人を伝記映画にする;ボスニアの奇想―クストゥリツァによるアンドリッチの翻案 ほか)
著者等紹介
小川公代[オガワキミヨ]
所属、上智大学外国語学部。専攻、英文学
村田真一[ムラタシンイチ]
所属、上智大学外国語学部。専攻、ロシア演劇、ロシア文化論、比較演劇
吉村和明[ヨシムラカズアキ]
所属、上智大学文学部。専攻、一九世紀フランス文学、表象文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あんすこむたん
1
専門的な部分が多いが、アダプテーションについて知るには、参考になる図書。2018/10/16
Strega Rossa
1
文学から映画、戯曲、漫画などへの翻案・アダプテーションについて複数の研究者が全12章で分担執筆した論集。欧州諸国の作家のアダプテーションを題材に、それぞれの国に精通した筆者たちが論じていく。例えば、第8章「イタリア映画における原作小説とオペラ」では、ヴィスコンティの『夏の嵐』にはヨーロッパ文化のエッセンスが凝縮され、様々な芸術の表象が巧みに引用されていると説く。それらは映画と有機的な関係を保ち、オペラの果たす役割が大きい。映画の中にオペラが入れ子構造の扉のように組み込まれている、と分析している。2018/06/05