内容説明
死んだはずのお婆ちゃんから手紙が届いた。大砲の設計技師だったお爺ちゃんは、ある日僕に日記を残して旅立った。そこで明かされるお爺ちゃんとお婆ちゃんの過去とは。第一次大戦期のチェコを舞台に、戦争と過酷な運命に翻弄される人々を描いた大人のメルヘン。
著者等紹介
フィリップ,オタ[フィリップ,オタ] [Filip,Ota]
1930年、チェコ生まれ。新聞やラジオ局で編集の仕事をしながら、プラハ大学の通信教育で文学とジャーナリズムを学ぶ。1968年の「プラハの春」の頃、出版社の顧問をしていたが、翌年に体制批判文書出版を理由に逮捕される。1974年にはチェコスロバキア市民権を剥奪され、西ドイツに逃亡。1977年、ドイツ公民権を取得。東側ブロック崩壊後は、ドイツとチェコとの和解というテーマで執筆活動をしている
北岡武司[キタオカタケシ]
哲学者、詩人。1948年、兵庫県生まれ。岡山大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
8
退役陸軍大佐のお爺ちゃんによれば、お婆ちゃんは1915年に死んだという。しかし、いま1957年になって、実はお婆ちゃんがカエターニ少佐と結婚し、まだ生きているという手紙が届いた。この秘密にはお爺ちゃん、お婆ちゃん、カエターニ、そしてお爺ちゃんの開発した秘密兵器の大砲が関わっている。その後亡くなったお爺ちゃんが残した日記をもとに、孫である僕は、当時何が起きたのかを紐解く。内容紹介には「チェコの作家が描いた大戦をまたぐ大人のメルヘン!」とあるが、内容はごく身近な人間の痴話喧嘩めいたものに終始しているのが残念。2021/04/08