思想のレクイエム―加賀・能登が生んだ哲学者15人の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861100680
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0010

内容説明

西田幾多郎、鈴木大拙、西谷啓治、三宅雪嶺、大村素衛…。石川県(加賀・能登)は近現代日本思想史におけるキラ星のごとき人々を育んだ地である。加賀百万石の武家文化、真宗と禅宗に代表される仏教文化、陶芸や漆器等の美術工芸、白山信仰、大陸文明の流入の地と、思想の土壌も豊かである。しかし現在、ふるさとの人々さえ彼らの思索の結晶を顧みることなく、多くの思想は歴史に埋没し、すでに過ぎ去ったか、あるいはまったく現れなかったかのようでさえある。二〇〇一年十二月から、季刊雑誌で加賀・能登(加能)の思想家たちの紹介文を連載しはじめ、二〇〇五年六月までで十五人の思想家を取り上げた。本書はその集成である。連載は一般読者向きなので、思想そのものにはあまり踏み込まず、思想家たちの人となりを紹介するという趣旨で書き継いできた。

目次

日常から立ち上がる思想―西田幾多郎・思索の動機としての悲哀
父に語った夢物語―女性哲学者の初穂・高橋ふみ
母へのつとめを果たす―気骨あふれる教育者・山本良吉
悲しみから人生を学ぶ―父母、妻、友の生を受け継いだ鈴木大拙
生きつづける無限愛の教育論―信州で逝った哲学者・木村素衛
虚無を生きた空の思想家―奥能登の風光、父の死と西谷啓治
反戦を歌いつづけた透明な知性―獄死した唯物論者・戸坂潤
瀕死の体験と聖化された信仰と思想―昭和の教父・逢坂元吉郎
愛と理性の教育をめざして―教育者・赤井米吉
妻の遺骨と共に―敗北の勝利者・藤井武
近代日本への警鐘―在野の思想家・三宅雪嶺
キリスト教的愛と清貧の実践―隠れた聖徒・長尾巻
思索する指―近代彫刻の巨匠・高田博厚
精神生活の原風景を求めて―国文学者・折口信夫
死は悲し、されど…―夭折の哲学徒・野崎廣義

著者等紹介

浅見洋[アサミヒロシ]
1951年石川県生まれ。金沢大学大学院文学研究科(哲学専攻)修了。文学博士(筑波大学)。石川県立看護大学教授。論文に「西田における生命論の宗教的背景とその展開」(第19回比較思想学会研究奨励賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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