内容説明
虐待はひとを憎むこと自分を憎むことをおしえてしまう。愛されていないのか愛されているのかなんで自分が生きているのかさえもわからなくなってしまう。それでもいつかこんな自分も含めてすべてを愛してもらえる…どうしてもどうしてもそれがあきらめきれない。虐待をする親でも子どもにはそのひとしかいない。このことをどうかわかってほしい。こころから。
著者等紹介
MOMO[MOMO]
1968年沖縄県生まれ。絵本作家五味太郎に師事し、絵本及びその周辺を学ぶ。グラフィックデザイナーとしてNARSE DESIGN STATIONを主宰する
YUKO[YUKO]
1970年長崎県生まれ。イラストレーターとして勤務後、カナダに渡りドローイングの楽しさを実感。帰国後フリーに。子ども向け書籍などを手がける一方、ダークポップなキャラクター制作にも力をいれている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nana
72
クーヨンという雑誌に著者が出ていて、気になって読んでみた。虐待を伝えるのに優しい印象の絵本しかなったから、とのこと。ストレートに虐待が伝わってくる。イラストもちよっとショッキングだった。でもそういうことなんだな、と。読んでよかった。2019/02/05
AKIKO-WILL
56
900冊目に選んだのはこの絵本!SNSで話題になったらしく、表紙のクマのぬいぐるみがとても寂しそうに見えるのは赤いから?著者の実体験を元にした絵本で、このクマのぬいぐるみがだんだんボロボロになっていきます。虐待をこのクマのぬいぐるみで表現している為に、ページを捲る手が震えます。辛い心の声がとても痛々しいです。最後には著者のメッセージが書いてあります。この絵本を見て、虐待をうける子どもの気持ちをわかってほしい。どんな親でも子どもにとっては、親なんだから。衝撃的な絵本だけど読めて良かったです。2016/07/20
テルテル
46
児童相談所の統計によると年間の虐待数が約7万人で毎年増え続けているとネットに載っていた。さらに、虐待による死亡した児童が20名もいるという。私のお気に入りの絵本『おおきなあな』が心から怒り声をあげている。家の中に居場所はない。食事、風呂、睡眠はとらなければならない。しかし、毎日が心理的虐待、身体的虐待、性的虐待、自分の目の前で母親が暴力をふるわれる姿さえも見なければならない(DV)という多くの心の『あな』に落ちていく。『あな』を埋めるためには、子どもの心に寄り添える人間の存在が必要。許せない。早期発見を。2015/05/26
ぼりちゃん
26
少しずつ傷つきボロボロになっていくぬいぐるみ。それと同時に蝕まれていく心。お父さんお母さんがこんな酷い仕打ちをするのは自分が悪いからだ…必死に反省し自分を奮い起こす。その陰で膨らんでいく怒りや憎しみ。後に遺るものは、自身のことが大嫌いになった自分と親や社会への怒り。その負の遺産は、社会の中で生きていくことをとても困難にさせる。虐待は親ひとりやふたりだけの犯罪ではない。「わたしたち大人が構成する、この大人社会の犯罪である」に強く同意する。被虐待児と同時に、虐待をしてしまう親も迅速に救わないといけないのだ。2022/11/11
ナチュラ
25
絵本なのに「保護者がお子さんに見せてもいいか確認してから....」との注意書が。ページをめくる毎にテディベアが壊れていく。心と体の痛みが強烈に胸に突き刺さる。虐待がある現実 なくならない現実。2016/08/12