目次
くも
金色
銀色
すきな色
黒
ぼくのすきな色
夏の防波堤
ゆめ
夢と希望と挫折
朝だ仕事だ〔ほか〕
著者等紹介
寮美千子[リョウミチコ]
作家。童話から詩、小説まで幅広く活躍。1955年、東京に生まれ、千葉に育つ。中央大学文学部中退。外務省勤務、広告コピーライターを経て、1985年、毎日童話新人賞を受賞、作家活動に入る。2001~4年度、和光大学非常勤講師。2005年、泉鏡花文学賞を受賞。2006年、首都圏より奈良に移住。2007年より、奈良少年刑務所「社会性涵養プログラム」講師。2010年より奈良佐保短期大学非常勤講師。宮沢賢治学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
25
思いの詰まった詩集。詩そのものにも、そして、これを編んだ人の思いも。へんな衒いや飾ったところのない、ストレートな表現だと思う。詩として表現することで、次のステップへと繋がっていく。自分を見つめ、自分を出し、周囲からの反響によって、一歩踏み出せる。それぞれが背負ってきたものは無くなりはしないが、囚われる部分が軽くなっていく。なかなか、こういう詩は書けないと思う。2014/05/21
さく
23
とても良かった。後半の、お母さんがテーマの詩は、まっすぐに胸に響く。おかあさんに愛されたいんだね。おかあさんが大好きなんだね。会ったことがないおかあさんに会いたいんだね。こんな純粋無垢な詩を書く子どもたちが、罪を犯して刑務所に入っているなんて。この詩の授業のように、自分の気持ちを表現する場があれば、なにか違ったのかな。子どもたちが更生し、社会復帰できるように尽力する刑務所の職員たちに尊敬の念が湧いた。2020/07/17
おおにし
18
奈良少年刑務所受刑者の少年たちが書いた詩集。彼らの詩とそれに添えられた編者のコメントを読んでいると、目がうるうるしてしまいました。こんなピュアでやさしい詩が書ける子たちがどうして犯罪者になってしまったのでしょうか。生まれながらの悪人はいません。育った環境が犯罪者を作り上げてしまったのかもしれません。世間は少年犯罪に対して厳罰化の方向に進んでいますが、「社会性涵養プログラム」のような更生プログラムを充実させ、出所後の少年たちが二度と刑務所へ戻って行かないような社会を作っていくことが先決ではないかと思います。2014/06/04
Naomi
15
犯罪者=悪人ではない。少年刑務所内にいる人たちは、純粋で心優しいことが伝わってきます。感性豊かです。だからこそ、つらい環境でよりさみしく孤独を感じていたのかもしれないと思いました。2022/12/02
黒木 素弓
12
“こんな凶悪な犯罪者も、はじめは心に傷ひとつない赤ちゃんだったはずです。”耕されたことのなかった荒れ果てた心を、大人たちが優しく根気よく耕した記録です。詩を作ることで自分と向き合い、それを人の前で朗読し拍手を得ることで自信をつけていきます。純真な若い受刑者たちの心、それを取り巻く大人たちの愛情、そんなものを感じ、心が痛くなりました。2011/08/23
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