内容説明
本書は『暁の円卓』第四之書「暗黒の歳月」の後編にあたります。30年代のベルリンで、ナチが民衆をしだいに洗脳し、テロとプロパガンダによって独裁体制を確立していく様子が克明に描かれます。
著者等紹介
イーザウ,ラルフ[イーザウ,ラルフ][Isau,Ralf]
1956年ベルリン生まれ。コンピュータ・プログラミングの仕事のかたわらファンタジー小説を書きはじめ、作品がミヒャエル・エンデの目にとまり、作家デビューした。ドイツのシュトゥットガルト近郊に住み、ファンタジーと自然科学を融合させた独特な作家活動をつづけている
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て、現在は和光大学表現学部教授。子どもに関わる表現全般に取り組みつつ、現代ドイツの児童文学、ヤングアダルト小説の研究と紹介を行っている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空箱零士
4
★★★☆ じわじわとドイツがナチスに染め上げられていく様が克明に描かれており、それに合わせてデービッドたちが追い詰められていく様はなかなか緊張感があり、その辺りは純粋に楽しめた。しかしそれは、引き続きデービッドたちが後手に回ってしまったことを意味する。協力者たちを次々と失い、とうとう妻まで奪われたデービッド。イアソンの涙を調査したり、情報網を張り巡らせたりと、手は回しているがどうしても攻勢に転じきれない。やはり「為す術なく『時代』に流されてる」感が強くなってしまうのは、作品構造上どうしようもないのか……。2018/12/31
ymg
3
第4作)まさか、まさかのナチス!そして第2次世界大戦へ2009/06/18
葉由
1
レベッカ、まさかそんな!?どうか無事で……。ちょっと登場人物の入れ替わりが多くて混乱しそう、一旦整理しないと。2014/02/18
kei
1
☆☆☆☆2011/10/25
ちょん
1
本書は『暁の円卓』第四之書「暗黒の歳月」の後編にあたります。第四之書の前編では、デービッドはニッポンからアメリカ、ヨーロッパへとめまぐるしく飛び回りましたが、本書では1930年から1939年にいたる約九年間をドイツで過ごすことになります。物語の後半ではドイツ各地を放浪しますが、重要なのは前半でじっくり腰を落ち着けるドイツの首都ベルリンでしょう。 みなさんは、ベルリンのことをどのくらいご存じでしょうか? 1961年から1989年まで東西ドイツ分断の象徴であった「ベルリンの壁」はあまりにも有名でしょう。この2008/01/01