内容説明
現代に息づく愛媛に関わるキリスト者たちの軌跡。患難な時代、民衆と共にあった彼らの生き様に迫る著者渾身の労作。
目次
第1章 愛媛における新渡戸稲造の足跡―晩年の「松山事件」を中心として
第2章 南予における新渡戸稲造の足跡を中心として
第3章 「内村鑑三の非戦論」―日露戦争期における安藤正楽の非戦論
第4章 黒崎幸吉、矢内原忠雄らの無教会主義について―新居浜でのプレマス・ブレズレンとの関係を中心に
第5章 郷土の偉人―矢内原忠雄の朝鮮観
第6章 一九七〇年代の韓国民主化運動の原点―一九一九年の三・一独立運動と乗松雅休(松山市出身)に学ぶ
第7章 郷土(愛媛)の視点からみた留岡幸助
第8章 南予におけるランバス宣教師の業績について
第9章 現代に生きる賀川豊彦―愛媛における賀川豊彦研究のための一考察
著者等紹介
遊口親之[ユグチチカユキ]
1943(昭和18)年愛媛県西条市に生まれる。1966(昭和41)年関西学院大学文学部史学科(西洋史専攻)卒業。愛媛県立小松高校、新居浜西高校、西条高校等に38年間教諭として勤める。元ソーシアル・リサーチ研究会事務局長(代表)(1990~1999)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rico_bosin
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高校の恩師,遊口先生の御著書。愛媛県の教育者・キリスト者としての視点から愛媛に関わるキリスト者たちを,当時の史料も掘りおこしながら紹介。新渡戸稲造が1932年に松山市を訪れ講演会に先立って「わが国を亡ぼすものは共産党か軍閥かである。そのどちらが恐いかと問われたら,今では軍閥と答えねばなるまい」と発言し,国賊扱いされることになった「松山事件」については,新渡戸の発言を記事とした地方紙の紙面が引用されている。40年近くにわたる地道な研究の成果。困難な時代においても,人を愛し尊重することの大切さが伝わる。2014/09/14