内容説明
心筋梗塞をおこし病院から退院したばかりの老齢を迎えたペネラピは、生きることへの喜びを感じつつ、これからの人生をおろそかにしないと誓う。すでに成人した三人の子どもたち。画家の娘として生まれ、家族や友人たちと過ごしたロンドンやコーンワルの日々。戦争中の間違った結婚。そして新たな恋…忘れていた過去の思い出が蘇る…戦前、戦中、戦後を描くイギリスのベストセラー作家長編代表作。
著者等紹介
ピルチャー,ロザムンド[ピルチャー,ロザムンド] [Pilcher,Rosamunde]
1924年、イギリスに生まれる。18歳より『グッドハウスキーピング』『レディーズ・ホーム・ジャーナル』等を中心に数多くの短篇を発表。短篇、中編、長編を多数発表。2002年にOBE勲章受章
中村妙子[ナカムラタエコ]
1923年、東京に生まれる。東京大学西洋史学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chocoうさぎ
2
ずっと気になっていた本書を遂に手に取った。どうしてもっと早くに読まなかったのかという面白さ。老境に差し掛かり病に倒れた経験から過去を振り返るペネラピ。その両親、子供たちからなる三世代の物語。現代的で都会的な生活や美しい自然、田舎の生活、対戦前や大戦後など描かれる時代、場所がその人物、その時代を的確に切り取ってエピソードを積み重ねる。私の中ではソフィーはエマニュエル・べアールに勝手に変換して読んでいた。画家である父の作品「シェルシーカーズ」(貝を探す子供たち) を巡り物語が進む。映像的な展開、下巻が楽しみ。2021/07/31
schazzie
1
いかにもイギリス的な情景の、親子三代に渡るファミリーサーガ。上巻だけで1ヶ月近くかかってしまった。あまりにも自分の今の状況に似ているため、読むのが辛いというのもあるが、あまり起伏がないので退屈。ファミリーサーガというと、スタインベックの『エデンの東』が一気読みも苦でないくらい素晴らしい作品だが、これにはそこまでの面白さはない。物語の状況は非常に自分に似ているのに、どの登場人物にも入り込めない珍しい本でもある。2016/01/18
KIKO
0
いい本に出会えた。発作を起こした老齢のペネラピが退院し、人生を振り返る。ペネラピ本人だけでなく、彼女の家族・周囲の人々のストーリーも交えているので、皆の言い分に耳を傾けられる、主役による一元的な展開でないところも好感を持てる。自分の子供でも価値観・波長の合う・合わないはある。子供も母親が価値観を共有してくれないことを嘆いているのだろう。私は読んだことのない作家の作品は書評や書店で見て手に取ることが多く、仕方ないが新しく出版されたものに偏ってしまう。以前に出版されていた本作品が新装版で発売されたことに感謝。2015/02/07
natukoba
0
友人に薦められた本。3代にわたる家族の歴史が重厚に語られる。第2次世界大戦中、戦争から逃げてきた人々に住まいを提供するシーンを読んで、今現在ウクライナ難民に対してポーランドをはじめヨーロッパ各国の人々が部屋をどうぞというプラカードを抱えて対応するニュースを見てこれがヨーロッパの歴史なんだなと痛感。2022/03/13
えりねっと
0
図書館で借りて、読了。2018/12/15