内容説明
イギリスのベストセラー作家が描く人々、そして自然、出来事に対する温かいまなざし…。ピルチャーの描く人々は、どこにでもいる普通の感覚を持った人たち。日々の中で感じる大小さまざまな困難や悩み、そして喜び。そんな日々の心の動きを、ゆったりとした時間の中に描く、珠玉の短篇集。
著者等紹介
ピルチャー,ロザムンド[ピルチャー,ロザムンド] [Pilcher,Rosamunde]
1924年、イギリスに生まれる。18歳より『グッドハウスキーピング』『レディーズ・ホーム・ジャーナル』等を中心に数多くの短篇を発表。代表作『シェルシーカーズ』(朔北社)は世界的に500万部を売るベストセラーとなった。短篇、中編、長編を多数発表。2002年にOBE勲章受章
中村妙子[ナカムラタエコ]
1923年、東京に生まれる。東京大学西洋史学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
64
上品でクラシカルな雰囲気。大好きな恋人に嫌々ついてきたけれどスキーが滑れない恐怖を抱えた若い女性、社長夫婦の大切なもてなしの日を1日勘違いして慌てた夜を迎える若い夫婦、結婚したばかりで連れ子の少女達との距離感に悩むハンサムな男性、友達だった老紳士の早すぎる死に落ち込む少年、様々な困難に出くわした人達、でも最後は決まってハッピーエンドな短編集。英国の手ざわりを身近に感じながら安心してホッと読める。どの話も拍子抜けするくらい話が好転してしまうのでビターさに欠けるとはいえ、のんびりお正月に読むにはぴったりかも。2022/01/02
ぶんこ
52
ちょっと重い本を読んでいて、気分転換をしないと息苦しくなっていた時に、偶然最適な本を手にできました。イギリスの市井の善良な人々のささやかな幸せ。それが詰まった短編集。(ああ困ったな)と思っている時に現れる心やさしき人々。人生って悪く無いと思わせてくれます。2017/03/12
くさてる
33
普通に生きる人々に起こる、ちょっとしたいさかいや不安、戸惑いが落ちつくべきところに落ち着いていく、そんなやさしいお話ばかりです。読後感のいいやさしい素敵なお話を読みたい人にお薦め。ちょっとハーレクインの匂いすらするくらいのハッピーエンドのロマンスも多いので、そう言うのがお好きなひとにはさらにお薦め。2022/02/05
こばまり
33
最近屈託のある本ばかり読んでいたせいか、心優しき短編の数々が清水のように沁みました。素晴らしい効能を持った一冊。2014/05/07
あおい
23
ちょっとしたハプニングや人生に迷う人達を温かい筆致で描いた心地よい余韻を残す7つの短編集。自分に自信がなくて恋人との別れを選ぼうとした女性の前に現れた紳士とのやりとりが素敵な「あなたに似たひと」が一番好み。2022/02/17