建築について話してみよう

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784860730376
  • NDC分類 520.4
  • Cコード C0052

内容説明

「ウィークエンドハウス」では室内の三つの光庭が外の風景を取り込み、「船橋アパートメント」ではワンルームをスリールーム構成の住戸とし、「森山邸」では大小異なるボリューム10棟を離しながらランダムに集合させた。今注目を浴びる著者初めての単行本。

目次

1 なにか町全体がそういう、非常に獰猛な建築群を放し飼いにしている、一種のサファリパークのような迫力のある都市だった。(ローマの話;新聞の話;オランダの話;東京の話)
2 自分が動くと、実物の仕上げのほうは動かないにしても、緑のほうは一緒にゆっくりと移動して、さらに向こうのガラスの映像も動き始める。(ウィークエンドハウスについて;空間の連続性をつくり出したい(聞き手・安田光男)
柔らかい図形
船橋アパートメントのついて)
3森山邸の「透明でバラバラな状態」という建物の原則は、閉鎖的空間に対して提案されたものというよりも、より開放的な社会、地域に向けての提案として考えた。(建物の創造的な原則について;建物の気配をいかに環境化するか)
4 模型と平面図が世界の全体像を決めていたといってもいい。しかし金沢21世紀美術館ではそれを越えて、建物の外まで含まれるような風景を考えるようになっていった。(原則をつくる―構造、平面、関係性、風景;「金沢21世紀美術館」について(妹島和世・西沢立衛)
透明感と都市の風景
明るく透明で柔らかい空間
アートによって町を再生する試み十和田市現代美術館をめぐって)
5 日本の住宅というのは基本的に、外観が無いような気がする。無いというと極端だが、なんというか建物の外装デザインが、たいへん希薄だ。(ミースについて;モデュロール・マン;中野本町の家;シザの建物の魅力のいくつかについて;透明な住宅;空港と都市;歴史がどういう局面でぼくの中に現れるか)

著者等紹介

西沢立衛[ニシザワリュウエ]
1966年東京生まれ。88年横浜国立大学工学部建築学科卒業。90年同大学院修士課程修了。同年妹島和世建築設計事務所入所。95年妹島和世とSANAA設立。97年西沢立衛建築設計事務所設立。2001年横浜国立大学大学院助教授。07年Y‐GSA(横浜国立大学大学院/建築都市スクール)准教授。主な受賞:1998年日本建築学会賞作品賞(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミーマルチメディア工房)。99年吉岡賞、2000年東京建築士会住宅建築賞金賞(ウィークエンドハウス)。04年ベネツィアビエンナーレ国際建築展金獅子賞、05年毎日芸術賞、06年日本建築学会賞作品賞(金沢21世紀美術館)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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YM

72
僕は7年前、大田区の池上に住んでいた。近所を散歩していると大きさの違う白いハコのような建物が、ぽこぽこと建っていた。ギャラリーのようだけど、人が住んでいるような。何か分からないけれど凄くかっこよかった。調べてみたら、西沢立衛さんが設計した森山邸だった。すぐに本書を買って読んでみたけれど衝撃だった。その視点は社会、未来に向かっていた。その時、僕は建築会社で働いていて建物はつくっていた。しかし全く違う。僕には思想がなかった。すぐに設計デザインの会社に転職した。人生は大きく動き出した。きっかけは偶然だった。2015/04/16

emi

25
使いやすいことは、モノの在り方としてひとつの答えだと思う。けれど、使いたくなるモノの存在は、自分を大きく揺さぶる答えだ。建築家・西沢立衛さんの建物の使われ方に対してのこの文に、はっとさせられた。日本の(特に賃貸住宅)物件は、中の機能を重視して発展しているけれど、空間は等しく同様の、狭くて物を減らすのに躍起にさせられるものが多い。生活するためにストイックを強制される空間なんて息苦しい。物を減らす風潮の中で、思わず使いたくなる空間を作る発想を実現出来る人はいないのか?それが出来るのは、著者だけなのかもしれない2015/04/27

SoSoSo

2
2017年20冊目。日本の建物はファサードが希薄。まさに。けど、他のアジア圏はどうなのかな。日本と似たような文化のとこってないのかな。似たとこがあれば、都市の広がりも似るのかな。などなど。建築と文化の繋がりを考えさせられた一冊。理解できない用語もあったが、それもまた勉強意欲を向上させられた。2017/12/16

まじょぽん

2
少しは建築についての本を読んでみようかと思って大学図書館で借りてきた。金沢21世紀美術館を手掛けたのが西沢立衛だということすら知らずに借りてきた私の学が足りないせいだとは思うが、後半部分の建築について語っているところの意味がほとんど受け取れなかった。雲を掴むような感じ。冒頭部分は面白く読めたのだが…。 建築家の話は大体抽象的で、彼らの言ってることの半分ぐらいしか分からないのが常です。勉強が足りないですね。反省。2017/09/23

助作

1
金沢21世紀美術館などを手掛けた西沢立衛氏の本。建築家としての半生を作品を設計する段階で考察したことやインタビューなどで発信したことを通して振り返っている。作品の変遷とその意図を意識すると、建物をバラバラにしてみたり円形にしたり透明にしたりと一見奇をてらったように見えてもそこには合理性と思想が存在するのだな、と改めて認識させられた。2023/05/02

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