内容説明
百〓、ドストエフスキー、ゴッホ…彼らの作品に心の病はどう影響したのか。『ヘルマン・ヘッセの精神史』で日本病跡学会賞(2022年)を受賞した著者による精神医学的立場からの分析・考察。
目次
序文 言語遊戯と言語新作―モルゲンシュテルン、Ch.のガルゲンリーダーから
内田百〓と精神医学(上)―実践的幻聴体験の創出
内田百〓と精神医学(下)―百〓の人間像―性格的分析
ヴァン・ゴッホ兄弟のカタストロフ 二人組精神障害の軌跡
ドストエフスキーのてんかん発作と病的賭博―妻アンナ指揮のポリフォニー
ゴッホの診断ミステリー
フランツ・カフカと中島敦―「変身」をめぐる早世の同時代人
意識変容の諸相―昏迷の創出
田中正造の遺訓(上)―足尾鉱毒事件との対峙
田中正造の遺訓(下)―災害救済の道は為政者への“精神療法あるのみ”
文豪ヘルマン・ヘッセ自己治癒への道程
ヘルマン・ヘッセ『ガラス玉遊戯』への軌跡―その精神医学的考察―(1)自我同一性障害
ヘルマン・ヘッセ『ガラス玉遊戯』への軌跡―その精神医学的考察―(2)ヘッセ、精神分析に対峙
ヘルマン・ヘッセ『ガラス球遊戯』への軌跡―その精神医学的考察―(3)創作デミアンと精神分析
ヘルマン・ヘッセ『ガラス玉遊戯』への軌跡―その精神医学的考察―(4)「シッダールタ」中断の頃
「狂人日記」の迷走―大岡昇平『野火』への付言
著者等紹介
細川清[ホソカワキヨシ]
1931年広島県東城町生まれ。広島市の私立修道高校卒業。1955年東京大学独文学科卒業後、岡山大学医学部卒業。精神・神経医学を専攻。臨床脳波学をライフワークとする。1968年より2年半、アメリカ・ウィスコンシン大学に留学。岡山大学医学部助教授を経て、1983年初代香川医科大学精神科教授、1991‐97年同大学付属病院長・副学長を務め退官。『ヘルマン・ヘッセの精神史』で2022年の日本病跡学会賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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