内容説明
著者が長年にわたり探求し続けてきた「自ずから然り」という意味での「自然」の現象学。本書はその論理的側面を補強するために、とりわけヘーゲルの『精神現象学』や『大論理学』との対話を通して「一における一」、「於てあるものなき場所」、「場所の自己‐触発」という「始源」から「他」や「多」の生成にいたるまでの過程を論じ、併せてドイツ観念論やビランの「カテゴリー」論を再検討する。
目次
第一章 「意識の経験」と「意識の経験の学」と―ヘーゲル『精神現象学』についての一つの現象学的解釈の試み―(出発点としての「序論(Einleitung)」と到達点としての「緒言(Vorrede)」
「意識」から「自己意識」へ ほか)
第二章 「同一性と非同一性との同一性」の論理学―ヘーゲル『大論理学』に関する一考察―(『大論理学』における「同一性と非同一性との同一性」;「反省諸規定」としての「同一性」、「相違」、「矛盾」、「根拠」 ほか)
第三章 “自然”の論理(始源と自然―“一における一”をめぐって;“一なるもの”から“他”や“多”へ ほか)
第四章 諸カテゴリーの演繹/読解―ドイツ観念論とメーヌ・ド・ビランと自然の論理と―(初期フィヒテと初期シェリングにおける諸カテゴリーの演繹;ヘーゲル『論理学』の場合 ほか)
著者等紹介
中敬夫[ナカユキオ]
1955年大阪府生まれ。2021年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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