内容説明
フランス革命後の世代に属し、建国間もないアメリカへの視察での見聞をまとめた『アメリカのデモクラシー』(第1巻)で一躍時の人となった若き青年貴族アレクシ・ド・トクヴィル。本書は、その思想のエッセンスを、今日その普遍的価値が揺らぐ「デモクラシー」を積極的かつ肯定的に捉え返そうとする視点から初学者向きにやさしく語りかける政治思想への誘い書。
目次
序論
第1章 「デモクラシー」の発見と未来の「いま」(平等の浸透するアメリカ社会;「デモクラシー」国民・活動的なアメリカ人と宗教;トクヴィルの自己意識と「文明と野蛮」の枠組み)
第2章 現実社会の「いま」における自由の運命(現実社会の格闘から形成される複雑な自由論;「デモクラシー」的人間の誕生と「個人主義」の関係;「革命の精神」についてのアンヴィバレンス;「社会問題」・貧困への認識と捨て子対策)
第3章 フランスの「過去」・「旧体制」への知的探求(「デモクラシー社会」の権力イメージ;貴族階級との対比と「集団的個人主義」;中間集団の消滅と結社の自由;「旧体制」社会と集権制国家の役割)
終章 トクヴィルと現代
補論と付録
資料
著者等紹介
中谷猛[ナカタニタケシ]
1935年京都市に生まれる。立命館大学名誉教授(法学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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