出版社内容情報
虫のぬけがらといえば、セミを思い浮かべる人が多いと思います。じつは、昆虫は脱皮して成長するので、セミだけでなく、すべての昆虫がぬけがらを残します。
セミのようにカチカチのぬけがらを残すものもいれば、ふにゃふにゃのぬけがらを残すものもいるし、脱皮した後にぬけがらを食べてしまうものもいます。
そんな多種多様なぬけがらを集めたのが本書です。身近な虫のぬけがら290種ほどを写真とともに紹介します。幼虫や成虫の写真や、脱皮の連続写真もあるので、虫マニアから、ぬけがらが気になる初心者まで、広く楽しめます!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
77
ぬけがらの造形美。奥深き虫のぬけがらの世界。個人でよくこれだけコレクションできたなと感心。虫の成長には欠かせない脱皮は神秘的でさえある。マニアックさが興味深く面白かった。2022/10/08
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
49
セミのぬけがらは見かけると集めるので、いつも子供に嫌がられています(笑)。他の様々な虫が脱皮するとは知らなかった。綺麗にコレクションしてあり、そこに目をつけた著者は素晴らしいです。これからはセミのぬけがらを見つけたら種類チェックをしたり、好きなナナフシやザトウムシのぬけがらを探してみよう。2022/01/20
更紗蝦
41
日本に生息する昆虫288種およびクモなどの節足動物6種が残す558種類のぬけがら(脱皮殻)を紹介している本です。著者は、中学・高校の理科教員を経て「生きもの専門」の写真家になった方で、本書に収録されているぬけがらは著者のコレクションだそうです。とにかく物凄い数のぬけがらと、羽化の瞬間の写真が収録されており、野外で羽化するのを待ち伏せしたり、幼虫を片っ端から飼育したりなどして、「虫が脱皮する場面」に出会うための努力を惜しまない著者の熱意に脱帽です。2023/09/08
たまきら
39
読み友さんの感想を読んで。はじめの言葉からあまりの既視感にクラクラしました。同じ気持ちの人がいるって、なんてうれしいんでしょう!うちのユズと夏みかんに発生するナミアゲハを飼育しているので、はい、私も幼虫マスクは大事にコレクションしています。とはいえ、私のコレクションなんて微々たるもの。いやはやこれだけの種類の抜け殻を集められている著者の過程を思うと脱帽です。…オオムラサキ系の幼虫マスクはちょっと集めてみたいかも…♡2023/10/04
えっくん
28
★★★★☆日本に生息する588種にもわたる昆虫の抜け殻の写真が掲載されています。圧巻なのは蛹化、羽化の際の連続写真が時間の経過とともに掲載されており、完了するまでの何時間にも渡る撮影は相当な労力であったと思います。昆虫は脱皮により成長してゆくのですが、脱皮したにもかかわらずちゃんと以前より大きくなっているのが不思議です。でも脱皮後に自ら皮を食べてしまう昆虫も多く、抜け殻の収集作業も大変だったのではないでしょうか。子供の頃アゲハ蝶の蛹を枝ごと虫かごに入れて羽化を観察していたのを思い出し懐かしさも感じました。2021/09/23