感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HH2020
5
◎ 正月に読むため年末に図書館でうろうろ物色して選んだ本。大活字本で三分冊になっている。著者は福岡県出身で西日本新聞にもたびたび登場していたので以前から気にとめていた作家だ。羽根藩の家譜編纂の作業を進める戸田秋谷と彼を監視する役を命じられた檀野庄三郎を中心に織りなす物語。秋谷は家譜完成の暁には切腹せねばならぬという非情な運命にあり、庄三郎もまた些細な出来事から人生が変わって今がある。ふたりとも真の武士でありながら村民に対しても深く心を寄せる。哀しくも心温まる物語で、新年の第一冊目にふさわしい本だった。2022/01/03
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- 和書
- 日本化石集 〈第2集〉