内容説明
あだこの優しい心根が、人生を見限った怠情な男を立ち直らせてゆく過程を描く「あだこ」、逆境に生きてきた勝ち気な芸者と藩政改革の矢面に立つ若侍との障害を越えた愛を描く「山茶花帖」を収録。
著者等紹介
山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903~1967。山梨県生れ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926(大正15)年4月『須磨寺附近』が「文芸春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が1943(昭和18)年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。1958年、大作『縦ノ木は残った』を完成。以後、『赤ひげ診療譚』(1958年)『青べか物語』(1960年)など次々と代表作が書かれた
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感想・レビュー
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ぺったらぺたら子
25
青空文庫にて『あだこ』のみ。面白くて一息で読んだ。江戸時代の設定だが、中身はモダンでしかも洋風であって、ハリウッドのハッピーエンドの古い映画、例えばフランク・キャプラなんかに近い感覚なのではないのかと思う。貧乏で下賤な姿になって無垢で天使的な存在が現れることにより、癒しと再生がもたらされる物語。傑作。周五郎、いい。黒澤が好んで原作として使ったのも解る。2021/07/21
かよ
1
あだこ-純粋な少女の心が奈落に落ちた武士を再生させる… 現代でも通用する良い話に心うたれました2017/06/07
富士松
0
朗読 YouTube2018/11/28