サービスサイエンス - 新時代を拓くイノベーション経営を目指して

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784860431440
  • NDC分類 673
  • Cコード C0034

出版社内容情報

監修:亀岡 秋男(北陸先端科学技術大学院大学教授)

現在、先進国の労働人口の約7割がサービス業に従事していると言われています。
しかし、サービスには「目で見ることができない」「受ける人によって評価が異なる」「生産と消費が同時である」といった特徴があり、これまで定量的、数理的な評価・分析が行われてきませんでした。
そこで、サービスをサイエンスの対象としてとらえ、組織の再構築、ビジネス戦略などのさまざまな問題を解決し、生産性の向上を図ろうという考え方が生まれました。これがサービスサイエンスです。
本書ではまず、まだ生まれたばかりのこの学問について、基本的な概念やアプローチの方法を示します。次に、実際に国内外でどのような取組みが行われているかを、具体例を示しつつ解説します。

はじめに

第1章サービスサイエンス台頭の背景とその動向
1 サービス経済の発達と新展開
2 サービスサイエンスの隆興
3 サービスサイエンスが目指す将来

第2章 サービスとは何か
1 サービスとは──さまざまな側面と定義
1.1 サービスの特徴の側面
1.2 サービスの提供者と利用者の関係の側面
1.3 サービスの価値提供プロセスの側面
1.4 サービスの顧客への効用の側面
2 本章におけるサービスのとらえ方とサービスの分類
2.1 本章におけるサービスのとらえ方
2.2 欲求実現、目標達成、機能遂行の側面によるサービスの分類
2.3 各サービスに関連する製品の例
2.4 欲求・ニーズに関連する研究

第3章 サービスサイエンスの視点
1 サービスサイエンスとは
2 コンピューターサイエンスとサービスサイエンス
3 知識論
3.1 知識科学とは
3.2 知識科学と技術経営
4 メトリクス
4.1 全米消費者満足度調査
4.2 SERVQUAL
4.3 サービス品質保証契約
5 他の学問分野とサービスサイエンス
6 サービスプロセスモデル
6.1 サービスブループリント
6.2 サービスプリズムモデル

第4章 産業のサービス化の現状と動向

第1節 エンジニアリング産業のサービス化の現状と動向
1 エンジニアリング産業の現状
2 サービス業務への取り組みの現状と事例
3 エンジニアリング産業におけるサービス事業の可能性
3.1 エンジニアリング産業のコアコンピタンス(機能)
3.2 サービス事業の可能性
4 成功のための条件と課題
5 エンジニアリング産業のサービス化の今後の動向
6 エンジニアリング業界団体のサービス研究の試み
7 エンジニアリング業界団体のナレッジ型サービス研究
7.1 研究の目的と経緯
7.2 研究アプローチ
7.3 研究結果の概要
8 エンジニアリング業界団体の電子タグ利用サービス研究
8.1 研究の目的と経緯
8.2 研究アプローチ
8.3 研究結果の概要
9 サービス化研究の成果と今後期待される研究

第2節 製造業のサービス化の現状と動向
1 製造業の現状と課題
1.1 日本の製造業の位置付け
1.2 日本の産業のサービス化と製造業のサービス化
2 製造業のサービス化に向けての取り組みと課題
2.1 調査方法と調査対象企業の考え方
2.2 製造業務についての調査結果と分析
2.3 サービスビジネス実施の現状と動向についての調査結果と分析
3 日本の製造業の将来に向けて

第3節 日本製造業の将来像とサービス産業への期待
1 20世紀と21世紀の日本製造業の姿
1.1 20世紀の製造業──JapanasNo.1への道
1.2 21世紀の製造業の姿
2 ソリューションビジネス
2.1 ソリューションビジネスとは
2.2 ソリューションビジネスの例
3 サービス産業
3.1 21世紀はサービスの時代
3.2 製造業におけるサービスのビジネスモデル
3.3 サービス産業の現状
4 サービスサイエンスによる産業セクター間の協業促進への期待
4.1 製造業からサービス産業への貢献
4.2 サービス産業から製造業への貢献
5 サービスサイエンスへの期待
6 アカデミアと産業界の協業

第4節 日米ベストプラクティスに見る製造業のサービス化の分類と分析
1 「モノづくり」から「コトづくり」へ
2 製造業のサービス分類のための顧客接点トライアングルモデル
3 日米製造業におけるサービス化のベストプラクティス事例分析
傾向1 素材部品系製造業のサービス化
傾向2 BtoB生産財系製造業のサービス化
傾向3 BtoC消費財系製造業のサービス化
4 製造業のサービス化の技術的課題
5 サービス化に対する研究開発部門の役割

第5章 サービスイノベーションの事例に学ぶ

第1節 サービスイノベーションの方向性
1 何を変えるか
2 どう変えるか
3 サービスの四つの側面からの考察

第2節 サービスイノベーションの事例
1 インフラ構築型サービスイノベーションの事例
事例1 セブン―イレブン
事例2 iモード
2 顧客価値共創型サービスイノベーションの事例
事例 加賀屋
3 価値基準提案型サービスイノベーションの事例
事例1 スターバックス
事例2 QBハウス
事例3 PFI事業
事例4 キーエンス

第3節 サービスイノベーションの連鎖──ヤマト運輸の宅急便事業
1 非常識への挑戦と信念
1.1 非常識(個人市場)への挑戦とサービスの絞り込み
1.2 信念とそれを支える企業特性
2 顧客視点
2.1 サービスの差別化戦略
2.2 ニーズの開拓と市場創造
3 効率的な運用
4 サービスイノベーション構造

第6章 サービスイノベーションマネジメント実践論
1 サービスイノベーションの背景
2 サービスサイエンスの勃興──米国の新潮流
3 製造業のサービス化──モノからコトへの拡張
4 サービスとは何か
4.1 サービス提供の手段としての製品
4.2 サービスの定義とサービス機能
5 製造業のサービスイノベーション戦略
5.1 顧客の総合価値
5.2 製品とサービスの融合戦略
6 機能表現による異分野知識の融合
6.1 製品と技術をつなぐ機能連携──死の谷の克服
6.2 サービス、製品、技術の3層連携
7 統合型戦略ロードマッピング
8 次世代技術経営
8.1 ジャストインタイム・イノベーションへの挑戦
8.2 イノベーション人材の育成
9 真の競争力とは何か──共生的競争に向けて

第7章 日本のサービス産業の政策課題──サービス産業の革新に向けて
1 日本のサービス産業について
1.1 サービス産業の構造
1.2 サービス産業の生産性
1.3 今後有望とされるサービス産業の重点分野
2 サービス産業政策の体系
2.1 サービス産業政策の組織と政策体系の新展開
2.2 サービス産業横断政策体系の基本的考え方
2.3 サービス産業政策体系
2.4 サービス品質の標準化
2.5 サービス産業政策インフラの整備
2.6 サービスイノベーションの推進
2.7 サービス生産性研究の推進
3 重点分野ごとのサービス産業政策
3.1 健康サービス産業政策──サービス産業創出支援事業など
3.2 サービス産業人材育成──医療経営人材育成事業を例に
4 まとめ

第8章 研究・教育分野の動向
1 サービス分野における人材の育成
2 教育・研究機関におけるサービスサイエンス
2.1 学問分野から見るサービスサイエンス
2.2 IBMのサービスリサーチ
3 米国の教育・研究機関の取り組み
3.1 カリフォルニア大学バークレー校
3.2 ノースカロライナ州立大学
3.3 アリゾナ州立大学
3.4 ノースウェスタン大学
3.5 カーネギーメロン大学
4 欧州の教育・研究機関の取り組み
4.1 イギリスにおける取り組み
4.2 ドイツにおけるサービスサイエンス会議
5 日本の教育・研究機関の取り組み
5.1 サービス工学研究会(東京大学、首都大学東京)
5.2 北陸先端科学技術大学院大学におけるサービスサイエンスの研究活動
5.3 東京大学におけるサービスサイエンスへの取り組み
5.4 筑波大学におけるサービスサイエンスへの取り組み
5.5 その他の大学におけるサービスマネジメントの講義
6 学会・国際会議など
6.1 国際的な学会、国際会議、ジャーナル
6.2 日本における学会・研究会の動向

第9章 サービスサイエンスへの期待

サービスイノベーションによる新たな成長基盤の構築
1 日本の経済・社会の現状と課題
2 競争力強化に向けた米国の動向
3 サービスイノベーションによる新たな成長基盤の構築

サービスイノベーションの促進に向けて

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索引

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