出版社内容情報
近年、ヒートアイランド対策や都市再生事業の一環として、都市緑化事業がさかんに展開されています。
造園家だけではなく、建築家・園芸家も数多くこの分野に参入する中で、関係者は都市緑化に関する基本的な知識や視点をしっかりと認識する必要があります。
本書では、植物にとって厳しい環境である都市を舞台に、どのような知恵と技術を駆使して緑化していくかを、写真を多数交えて解説します。
目次
第1章 都市緑化にあたって知っておきたい基礎知識
緑化環境としての日本の気候風土の特徴
日本は雑草天国 ・雑草に負けないための知恵
都市緑化に必要な生態学的知識「遷移」
都市緑化材料の選択上の視点と心構え
樹木の形や大きさは千変万化
植物は生長するデザイン素材
気配り、木配り、配植が大事
植栽の間が肝心で、難しい
安全・安心と緑化
都市緑化の多面的効果とマイナス効果
植栽基盤整備 ?緑のファンデーションの重要性
緑化目標(育成管理目標)の明確化
園芸家が都市緑化で活躍するために必要な知恵
第2章 多種多様な緑化用植物
都市で植物を育てることの難しさ
グラウンドカバープランツ
都市緑化材料としてのつる植物の魅力
芝生の種類も用途もいろいろ
サクラは都市緑化の女王か
日本の都市のスカイラインを席巻するメタセコイア
建築家は竹を好む、近代建築にも竹は妙にマッチする
かつて洋風建築の緑化修景材の雄であった「シュロ」、今は?
セダムによる屋上緑化、これからが正念場
生産者の畑で植木を自由に見ることができる「日本列島植木植物園」
都市緑化に使用される植物の種類数
第3章 緑化手法とそれを支える最新技術
完成型緑化
都市緑化の手法としてのコンテナガーデニング
緑化資材としての信楽陶製品の魅力
混植が都市緑化の決め手
諸外国の都市緑化空間や手法に学ぶ
機能植栽
日進月歩する都市緑化技術
見えない緑化技術
第4章 さまざまな空間の緑化
植物の生育環境としては総じて厳しい建築空間域
建築物にいかに花を咲かせるか
「芝棟」に見る屋上緑化の原点
屋上緑化の品格
近藤三雄の室内緑化小史
ビル風は植栽で防げるか