高分子化学入門 - 高分子の面白さはどこからくるか (改訂)

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  • サイズ B5判/ページ数 254,/高さ 26cm
  • 商品コード 9784860431242
  • NDC分類 431.9
  • Cコード C3043

出版社内容情報

大学生の教科書として、次世代の化学者を育てる立場の方の指導書として、また、これから高分子を学ぼうとする方の入門書として好評いただいた初版の改訂版。
筆者が実際に講義で使い、熱心な学生達の反応をみながら、初版での難解な部分や言葉足らずの部分などを改善して、より分かり易い表現や図表を採用した。
高分子化学が最先端の夢のある研究分野であることを理解いただくため、新たに「ナノテクノロジーと高分子」の章を追加した。
さらには最先端のトピックスなどを数多く取り入れたコラム、ユニークなイラスト、実力アップ必至の問題集、各章ごとの参考図書一覧をさらに充実し、学生の興味を引く編集を施してある。



著者
蒲池 幹治   大阪大学 名誉教授/福井工業大学 工学部応用理化学科 教授



第1章 高分子と日常生活
1. 高分子とは
2. 高分子と人間の生活
3. 高分子の実証
4. 高分子の発展と豊かな物質社会

第2章 高分子物質の特徴
1. 高分子物質の構成
2. 高分子物質のおもしろさ
3. 高分子物質の分類
4.高分子物質の特徴
4.1 熱的性質
4.2 溶解と膨潤
4.3 力学的性質
4.4 光学的性質

第3章 高分子の構造
1. はじめに
2. 分子間力
3. 一次構造
3.1 単独重合体
3.2 共重合体
4.二次構造
5.三次構造(高次構造)

第4章 高分子の分子量測定
1. はじめに
2. 分子量の測定
3. 凝固点降下法および沸点上昇法
4.浸透圧法
5.光散乱法
6. 超遠心法
7. 粘度法
8. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
9. 質量分析法
10. 末端定量法

第5章 高分子の形
1. はじめに
2. 高分子鎖の広がりとそれを規制する因子
3. 高分子鎖の広がりの見積もり
3.1 両末端間距離, 二乗回転半径
3.2 高分子鎖の広がりに対する諸効果
4. 持続長
5. 高分子電解質
6. 高分子の溶解性
6.1 高分子の溶解
6.2 溶媒探索

第6章 高分子物質の熱的性質
1. 物質の3態と分子間相互作用
2. 高分子物質の状態変化
3. ガラス転移点と高分子構造
4. 耐熱性高分子
5. 熱硬化性樹脂
6. 高分子物質の熱伝導

第7章 高分子物質の力学的性質
1. はじめに
2. 外力と変形
3. 高分子物質の力学特性──粘弾性の評価
4. 分子レベルでみた力学特性
5. 高強度・高弾性率高分子
5.1 繊 維
5.2 プラスチック
6. 液晶性高分子
7. 高分子鎖のからみあい

第8章 ゴム弾性
1 はじめに
2. ゴムの特性
3. 結晶弾性とゴム弾性
4. ゴムの種類と化学構造
5. 熱力学的背景

第9章 高分子物質の結晶と非晶
1. はじめに
2. 固体と結晶
3. 結晶領域における高分子の立体構造
4. 化学構造と結晶性
4.1 ポリオレフィン
4.2 ポリスチレン
4.3 脂肪族ポリアミドとポリエステル
5. 結晶化度
5.1 密 度
5.2 X線回折
5.3 核磁気共鳴法(NMR)
6. 非晶

第10章 化学反応と高分子合成
1. はじめに
2. 高分子合成に利用される化学反応
2.1 不飽和結合の付加反応
2.2 錯体生成と重合反応
2.3 ヘテロ原子を含む多重結合への付加反応
3. 環状化合物の開裂
4. 二つの官能基の反応
4.1 縮合反応
4.2 重縮合
4.3 重付加
4.4 付加縮合
5. 高分子合成の特徴

第11章 連鎖重合
1. はじめに
2. ラジカル重合
2.1 ラジカルの化学反応性とラジカル重合
2.2 ラジカルの実証とラジカル重合の分類
3. ラジカル共重合
3.1 共重合体とその意義
3.2 組成の制御
4. イオン重合
4.1 イオン重合の特徴
4.2 カチオン重合
4.2.1 開始剤と重合反応
4.2.2 リビングカチオン重合
4.3 アニオン重合
4.3.1 開始剤とモノマー
4.3.2 リビングアニオン重合
4.3.3 立体規則性
5. 配位重合
6. グループ移動重合
6.1 シリル基移動重合
6.2 ラジカル移動重合(リビングラジカル重合)
6.3 可逆的付加開裂型連鎖移動重合(リビングラジカル重合)
6.4 原子移動重合(リビングラジカル重合)
7. 開環重合
7.1 イオン重合
7.2 配位重合(メタセシス重合)
7.3 ラジカル重合

第12章 非連鎖重合
1. はじめに
2. 非連鎖重合の特性
2.1 反応度と平均分子量
2.2 分子量分布
2.3 分子量制御
3. 重合法とその改良
3.1 溶融重合
3.2 固相重縮合
3.3 溶液重合
3.4 界面重合
3.5 相間移動触媒重合
3.6 活性化エステル法
4. 構造制御
4.1 配列規制
4.2 連鎖的重縮合
4.3 デンドリマー
4.4 酵素触媒重合

第13章 生体高分子
1. はじめに
2. タンパク質
2.1 タンパク質の化学構造
2.2 タンパク質の立体構造と機能
2.3 タンパク質の合成
2.4 固相合成法
3. 核酸
3.1 核酸の成分
3.2 核酸の化学構造
4. 糖鎖高分子
4.1 セルロース
4.2 デンプン
4.3 キチンとキトサン

第14章 高分子物質の電気的性質
1. はじめに
2. 高分子物質の誘電性
2.1 誘電性
2.2 強誘電性
3. 導電性高分子
3.1 導電性高分子
3.2 イオン伝導性高分子

第15章 生活環境と高分子
1. はじめに
2. 生分解性高分子
2.1 生分解性高分子と化学構造
2.2 化学合成
2.3 天然高分子の活用
2.4 微生物を使った高分子合成
3. 高吸水性樹脂と砂漠の緑化への期待
3.1 ゲル
3.2 高吸水性ポリマー
4. 分離膜
4.1 気体の浄化
4.2 水の浄化
5. 二酸化炭素から作られる高分子
5.1 モノマーとしての二酸化炭素
5.2 二酸化炭素から作ったエンジニアリングプラスチック
6. 高分子物質の転移と刺激応答性

第16章 ナノテクノロジーと高分子
1. ナノテクノロジーとは何か
2. ナノテクノロジーの可能性を開いたすすの研究―フラーレンの発見
3. ナノチューブ
3.1 カーボンナノチューブ
3.2 チューブ状高分子
4. 高分子ナノ粒子
4.1 マクロモノマーの利用
4.2 デンドリマーによるナノ粒子
5. ナノ界面
5.1 相分離
5.2 高分子ブラシ


コラム
自動車に使われているプラスチック
ドーム球場
明石海峡大橋
医用高分子の最先端
らせん高分子
動的光散乱
分子量分布
水膨潤性おもちゃ
ガムと米
ゴムのおもしろい性質
地震に安全なビル
ビニールハウス
増えつづける廃棄物
リビング重合の発見
触媒開発のもたらした夢の実現
自己組織化と超分子ポリマー
燃料電池を支える高分子
新素材としてのDNA
高分子微粒子の展開

巻末付録
演習問題と解答のヒント 参考書籍一覧
高分子科学に関連する内容でノーベル賞を受けた人たち
プラスチックの種類,特徴,用途
市販の繊維
高分子命名法
基本的な定数・SI基本単位と位どり接頭語・特別な名称と記号をもつSI誘導単位
単位変換表
元素の周期表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんば

2
高分子材料の基礎的な性質からキチン、キトサン、リグニン、ナノテクなど楽しめる話題も豊富でした。高分子材料のおもしろさを知る入門書としては良い一冊ではないかと思います。2012/03/01

T.Y

0
内容は薄く広くといった感じで、合成から物理化学的な点まで載っている。あまり深く突っ込まないので人によっては少し物足りなさを感じるかも2015/11/17

mojaie

0
挿絵がシュールで秀逸。誰だイラストレーターは。

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