内容説明
現代フランス語においては、普通名詞は通常定冠詞、不定冠詞に代表される何らかの限定詞を伴い、逆に、人名や都市名を表す固有名詞は通常限定詞を伴わないのが規範とされている。しかしながら、実際にフランス語を観察してみると、普通名詞が限定詞を伴わずに現れている例もそれほど珍しくはなく、人名や都市名を表す固有名詞が限定詞を伴って現れている例も時折見られる。本書は、名詞句に関するこのような有標の限定(あるいは無限定)を研究対象とする。本書は序章と6つの章から構成されている。序章においては、本書の重要なキーワードとなる諸概念について論ずる。第1章から第4章においては、無冠詞名詞句のさまざまな事例について、第5章と第6章においては、限定詞付きの隠喩的固有名詞について考察を行う。
目次
序章 名詞句の二つの側面
第1章 コピュラ文の属詞として現れる無冠詞名詞句
第2章 同格として現れる無冠詞名詞句
第3章 文同格および文タイトルとして現れる無冠詞名詞句
第4章 独立無冠詞名詞句
第5章 不定冠詞を伴う固有名詞
第6章 定冠詞を伴う固有名詞
著者等紹介
長沼圭一[ナガヌマケイイチ]
1969年静岡県生まれ。1994年大阪外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。2001年筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位修得退学。現在、筑波大学、東京成徳大学非常勤講師、専攻はフランス語学
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