内容説明
1200年の歴史を有する四国遍路は、今もなお多くの人々を四国へ誘い、地域の人々もお接待で迎える、生きた四国の文化です。センターに集う学内外の多彩な研究者が紡いだ八十八の最新研究によって、四国遍路と世界の巡礼の魅力について紹介します。
目次
空也と辺地修行
古代の辺地修行者と地域の人々
平安期の女性の「山踏み」―かな文学作品にみる実相
「花の下」の蹴鞠―異本『狭衣』にみる『源氏』の受容
弘法大師の御影と四国遍路―香川県の中世彫像からみる
聖護院道興の西国・四国下向とその伝承
善通寺伽藍図にみえる結界意識
六十六部と四国遍路
オダマキと呼子鳥―室町期における『狭衣』受容の一節
秩父三十四ヶ所観音霊場を歩く
四国遍路の二つの本尊
禅僧卍元、弘法大師の足跡を訪ねる―『丈六寺日鑑』を読む
村人の祈りと弘法大師信仰―光明真言百万遍供養塔
阿波國分寺の「家根板」
阿波人、四国遍路のついでに太宰府天満宮に参拝
武士の四国遍路―「春夏の杖」の紹介
四国遍路に出るためには―高松藩領引田村の手続き
京都御室八十八ヶ所と四国を結んだ行者
神社も巡った江戸時代の遍路
四国遍路と「徘徊浮浪」へのまなざし〔ほか〕