内容説明
「台湾中の農民なら誰もが知っている日本人がいますよ」。台中農事試験場を舞台に彼らによって作り出された日本型の新種、蓬莱米は、台湾の農民を豊かにし、彼らはこう呼ばれたという。『蓬莱米の父』磯永吉、『蓬莱米の母』末永仁。二人はどのような経緯で台湾にやってきて出会い、どのような研究で新種の稲を発見することになったのだろうか。台湾農業の近代化に尽くした二人の足取りを追う。
目次
老農学者との出会い
米の話
町長の息子と没落武士の息子
麗しの島「台湾」
青年技手
台中農事試験場
内地種米の栽培
新品種「台中六五号」の育種
「蓬莱米」の誕生
台北帝大の「たぬき親父」
末永技師の銅像
戦時下の台湾と引き揚げ
「蓬莱米の父」帰る
二人の足跡を訪ねて