内容説明
わが国の慢性腎不全医療は、先進国の治療水準からは大きく後退した、あたかもガラパゴス島のなかのような状況にある。それはなぜか?どうすれば、脱却できるのか?世界と日本の移植医療の誕生とその変貌をつぶさに観察してきた医師が、その歴史と現状をつまびらかにし、経済性や倫理的側面を押さえつつ、あるべき方向性を探る。
目次
イスタンブール宣言からマドリッド決議へ
臓器危機と透析医療の宿命
臓器提供をふやすには
buy or die移植医療の経済学
透析と移植は補完しあうのが理想だが…
和田移植の真実
ふたつの歴史―脳死と移植の
それでも脳死はひとの死である―ブッシュ・ジュニア大統領生命倫理委員会白書『死の定義についての論争』
生命倫理のなかの死と尊厳
ヒエラルヒーのなかの腎代替療法
移植で透析費用はいくらぐらい節約できるのか
著者等紹介
近藤俊文[コンドウトシフミ]
1932年生。京都大学医学部卒、内科系大学院修。宇和島市立病院名誉院長。医師として、アルドステロンのバイオ・ステレオ・アッセイ、デュビン・ジョンソン症候群の疫学・遺伝学・生化学、ATLの臨床疫学、腎移植普及などを行い、公益財団法人宇和島伊達文化保存会理事として、宇和島伊達家文書の復刻・翻刻を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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