内容説明
生涯俳句を作る楽しみを手放さなかった漱石の東京在住時代(前期・後期)の100句を読む。
目次
帰ろふと
寝てくらす
東風吹くや
君逝きて
柿の葉や
菜の花の
三階に
霧黄なる
無人島の
玻璃盤に〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
25
ただ今マイブームの漱石。本書は漱石の俳句百句とその鑑賞。中でも何度も「腸(はらわた)に春滴るや粥の味」を読み返す。同居人は、手術前の検査のため絶食を強いられている。その姿を見るたび、あたたかくほのぼのした春がしみ渡る日々が来てほしいと思ふ。「かりがねの斜めに渡る帆綱かな」「草刈の籠の目を洩る桔梗かな」など写生眼の確かな句もいい。また、漱石って神経質でピリピリな人というイメージだったが、「雷の図にのりすぎて落にけり」のユーモア句や「良寛にまりをつかせん日永かな」のゆったりした句にも出会い、意外でもあった。2016/12/16
あいくん
3
☆☆☆漱石は江戸っ子です。漱石はよく旅に出て歩きます。鎌倉、湯河原、修善寺でも過ごしています。漱石の旅は「門」「彼岸過迄」「行人」「こころ」などの作品にも現れています。漱石の墓は池袋の雑司ヶ谷にあります。 鎌倉、修善寺、雑司ヶ谷は訪れました。※春風や惟然が耳に馬の鈴(草枕)※時鳥かわや半ばに出かねたり※寄りくるや豆腐の糟に奈良の鹿(奈良公園)※橋立や松一筋に秋の空(天橋立)※春はものの句になり易し京の町(京都) 2014/08/05
月@時兎
0
漱石先生の東京時代の俳句。ところどころにコラムもあって、読んでいて楽しい。2017/02/15