内容説明
望んだわけではないのに公選弁護士として働くことになったおぼっちゃま法律家のクレイ・カーター君。恥ずかしくて友人にも見せられないようなオンボロ事務所につめ込まれ、収入も少ない。苦労が多いばかりで命の危険まで伴う毎日に最愛の恋人まで逃げだす始末。公選弁護士稼業から脱出を願っていたそのころ、首都ワシントンで謎めいた殺人事件が頻発する。彼がその事件の弁護を担当することになったのは偶然のいたずらからだった。生真面目で地道な調査がドラッグの臭いをかぎつける。すると大金が動き、彼は怪しげな男に好条件でスカウトされる。言われるままに働いていると、儲けは雪だるま式に大きくなり、たちまちアメリカンドリームを掴んだヒーローに祭り上げられる。薬害をたれ流す製薬会社を相手に連戦連勝して“訴訟王”とまで呼ばれ、大統領からもお呼びがかかるが…。落とし穴に向かって突っ走る男、札束に溺れる者に救いはあるか。
著者等紹介
グリシャム,ジョン[グリシャム,ジョン][Grisham,John]
いま米国でいちばん輝いている作家。12作品がすべて大ベストセラーになっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
264
残りのページ数がどんどん少なくなるのに、一向に終結を見ない。大丈夫なのかなと危惧しつつ読み進めていたところ、肝心要のクライマックスの裁判が余りにも杜撰な形で結審してしまった。これでは陳腐というよりは、ほとんど詐欺である。『評決のとき』では、そのようなことはなかったが、この作品で見る限りでは、この作家は最初の構想の勢いだけで書き進め、緻密なリアリティの積み重ねには関心がないかのようだ。ここから大団円までは只管に物語の収束を図るだけである。また、もう一つの不満はリドリーが美しいというだけで何の芸もないことだ。2016/12/26
まふ
107
下巻に入り、さらに大きく稼ごうとした分「食い物」にされた薬剤被害者の怒りを招き、状況が一挙に暗転し、その結果は…、と絵に描いたような転落の連続となる。当事者のクレイは途中で気づくものの、全てを巻き込んだ勢いは「慣性モメント」がついているため止まらない。何もかも、ひとえにクレイの脇の甘さがもたらした結果である。だが、彼をこの道に誘ったペイスが国外に逃げ延びてしまったり、先輩のパットン・フレンチが生き延びたのかは不明であり、気になるが、まあ「夢のような」おとぎ話であった。G683/1000。2025/01/21
ケイ
73
クレイがもう少し賢い選択をしているものと思っていて、がっかりした。ガーディアン紙が選ぶ必読小説にもこんなものがあるということだ。2015/06/05
NAO
62
この作品、普通にちゃんと訳したら、もう少し重みのある話として読むことができたのだろうか。結構重いことを扱っているはずなのに、最初から最後まで、薄っぺらな感じがして仕方なかった。特に、クレイの人間的な浅さが、気になった。もちろん、こんな罠に引っかかってしまうような人物だから人間的に浅いのは確かなのだが、それにしても、もう少し逡巡とか苦悩とかあってもよさそうなものだと思う。最後のエピソードもハッピーエンドにするためのものでしかなく、どうにも見え見えで嘘っぽくてならなかった。2018/06/08
Yuna Ioki☆
34
1676-107-48 法廷ものかと思っていたら一人の弁護士の人生の浮き沈みのストーリーだった(笑)2017/06/24
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- 和書
- 情報化白書 〈1993〉