出版社内容情報
連邦憲法裁判所は、親による養育の優先,国家による監視と支援という憲法要請の基礎に在るものが,子が人格の自由な発展に関する固有の権利の主体であるという理解をし、それを基軸として構成されてきたドイツの児童保護システムは,まさに子が親の下,すなわち家族的な関係の下で,自己責任を備えた人格へと成長する権利を保障しようとするものであることがわかる。このような考え方は,わが国においても共有し得るものである。そのように考えられる中、法律状態やインフラに関する彼我の差異は認めつつも,ドイツの動向に目を向け続けることは,わが国の今後の児童虐待対応を考える上で,有意な示唆を与えてくれるであろう。
第1章 本研究の目的 岩志和一郎
第2章 ドイツにおける子の福祉の危険化回避に 関する法的枠組の変遷
第1節 親子関係法改正法(1997年制定)前の変遷 岩志和一郎
第2節 2000年代における変遷 ヨハネス・ミュンダー
第3章 少年援助と司法の間の子の福祉─ドイツ側調査からの知見
第1節 ドイツにおける少年援助と司法の連携の仕組み 岩志和一郎
第2節 少年局と家庭裁判所の間における子の福祉の確保のための
判断根拠と手続の発展について─ドイツ側調査の報告 バルバラ・ザイデンシュトュッカー
第4章 ベルリンにおける子の福祉の危険化回避のシステムの展開 岩志和一郎
第5章 児童保護のための少年援助給付の体系 ?橋由紀子
第6章 2017年改正 児童福祉法について─児童虐待対応における司法関与を中心に 吉田恒雄
第7章 本研究から学びえたもの 岩志和一郎
資料
1.ベルリン州区役所の少年局及び保健所における児童保護のための処置の実施に関する共通施行規程
2.児童の健康と児童保護の促進に関する法
3.子の福祉の危険化の可能性の通報に関するベルリン統一第1チェックシート
4.ベルリン第2チェックシート 児童保護シート/個人票
岩志和一郎[イワシワイチロウ]
著・文・その他/編集
目次
第1章 本研究の目的
第2章 ドイツにおける子の福祉の危険化回避に関する法的枠組の変遷
第3章 少年援助と司法の間の子の福祉―ドイツ側調査からの知見
第4章 ベルリンにおける子の福祉の危険化回避のシステムの展開
第5章 児童保護のための少年援助給付の体系
第6章 2017年改正児童福祉法について―児童虐待対応における司法関与を中心に
第7章 本研究から学びえたもの
著者等紹介
岩志和一郎[イワシワイチロウ]
早稲田大学法学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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