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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
及川まゆみ
4
昔から名前だけは知っているのに、本人の歌は少ししか知らなかったので、復刻版を取り寄せてみました。2014/05/17
いやしの本棚
3
片山廣子『翡翠』について、佐佐木幸綱は「われ」を歌った歌が多いと指摘しているが、白蓮『踏繪』もまた、「われ」と「わが魂」をつよく激しく歌ったものが多い。廣子の歌は、現世と来世を往還する「われ」を歌う、幻視の魂を感じさせるが、白蓮の歌は、ときに嘆き、ときに喜び、現世や来世を思うときにも、「われ」の輪郭がくっきりとしている。自分の運命を嘆き苦しむかと思えば、激しい恋心や、可憐な乙女心を思わせる歌もあり、花や鳥を描写した素直な歌もあり、とにかくバラエティ豊か。現代女性の心にも響く歌集ではないだろうか。2014/05/21
trash
3
”一人のひとを思へば七たりの友みな憎む我を呪ひて””八熱の地獄の底か安らけき吾が淨土かとえらぶに堪へぬ”何事か地異天變のあれかしと願はるるかなあぐみ果てては”マイナスの感情というか、なかなかはきだしにくい思いをひたすら綴ったような歌集。大正四年なのに現代でもなんとなく通じる気がする句が多い。Amazonだとやけに高い値段がついているけど出版社のホームページ行けば花子とアンに合わせて?復刻しているので定価で買えたりします。2014/05/14
Waka
0
若書きというイメージ。そして、近代短歌という感じ。もちろん現代短歌のような中身のなさはないし、文法ミスも少ない。現代短歌の歌集をもらっても、読み終えてメルカリに出すのがよいほうだが、少なくとも白蓮の「踏繪」にはそれなりに付箋を貼った。それが答え。とはいえ、やはり近代短歌だなあ、と。自我の表現。和歌の文脈を断ち切ろうとしたのが近代短歌なのだから当然なのだが、和歌特に新古今、京極派の、自我を徹底的に無視した歌風を愛する私には、「自我がうるさい」「つらいのはわかった。だから? 」という印象。2020/08/29