出版社内容情報
岡崎武志のライフワークである「上京」をテーマに、『上京する文学 漱石から春樹まで』(ちくま文庫)、『ここが私の東京』(扶桑社)に続く、上京もの第3弾。
進学、仕事、憧れ、様々な理由で上京してきた作家たちが、生まれ育った町ではないからこそ、新鮮な想いで風景や人々を眺め、それを作品として昇華していく歴史を、たくさんの本を読み、街を歩いてたどることで結実した充実の内容に。
上京の数だけ物語がある。
目次
まえがき
第一章 赤瀬川原平 前衛に押し流された東京の足跡
第二章 洲之内徹 銀座「気まぐれ美術館」への道
第三章 浅川マキ 雨降る新宿の黒の歌姫
第四章 田中小実昌 路線バスで知る東京のもう一つの顔
第五章 山之口貘 沖縄から池袋へたどり着いた放浪詩人
第六章 耕治人 野方に苦しみ生きた二人ぼっちの二人
あとがきに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
41
長渕に♪のこのこと来ちまったけど...と東京に出た若者が、覚悟を歌う歌がある。希望をもってあるいは故郷から逃げるように皆なが東京にやって来る。東京は何でも受け入れてしまう。特にサブカルはこの地で色んなモノと融合し変容し進化する。この本は文化人6人の上京した頃の話だが、正確であろうとするためか少しの脚色もなく読み物としては物足らない。赤瀬川源平と浅川マキを読んだだけだ。彼ら皆そうやって♪せっせせっせと東京の人になったんだな。2023/03/11
kochi
13
山之口漠、本名山口重三郎。生涯、わずか200篇あまりの詩を作り、様々な職業を経験して、貧乏暮らし。結婚後も家族に苦労をかけ、戦後貧乏な詩人として有名になる。フォーク歌手の高田渡が歌う『生活の柄』などからその詩を知った人も多いらしい。高田の歌を動画サイトにて初めて聞くも違和感なし。本書はその他、赤瀬川源平、浅川マキ、田中小実昌等を取り上げ、上京者としての生涯や業績を略述。特に、上京後の住居や引っ越しにこだわり、実際に行ってみたりして、一種の東京地理と歴史の案内にもなっている。コミさんのバス好きは伝染しそう。2023/07/07
ishida
0
それぞれの登場人物にそれぞれの魅力を感じた2023/04/26
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- 百花園 第二三八号 百花園