内容説明
日本の「自粛要請」よりはるかに行動が制限された英国での「都市封鎖政策」。コロナ禍真っ只中、ロンドンの片隅で感染の可能性に怯え、他者との距離に戸惑い、それでも日常の失わないために、ささやかな幸福とともに生活を続ける著者の「100Days of Stay Home」の記録。
著者等紹介
入江敦彦[イリエアツヒコ]
1961年京都市上京区の西陣に生まれる。多摩美術大学染織デザイン科卒業。ロンドン在住。エッセイスト。京都、英国に関する著作が多数ある。近年は書評集も執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Comit
71
市立図書~ロンドン在住のエッセイストである著者が新型コロナの猛威でロックダウンを余儀なくされたイギリスから綴った100日+αの日記エッセイ。混乱と苦労の毎日を語る文体が、ざっくばらんでスパッとしており、なぜか読んでいてクスッとしてしまいます。執筆中に著者自身も新型コロナに罹患し、安静と隔離を余儀なくされ、その生活も細かく載っていました。都市封鎖を経験した著者が訴えるのは“愚直”に勝るものはないということ。本当にその通りだと思います。読み友さんの感想を拝見して手にとった一冊。よい本でした。2021/03/11
宇宙猫
20
★★★ コロナが広がった頃の英国でのロックダウンの記録。一応自分の意志でステイホームした日本と外出禁止の英国では閉塞感も強そう。外猫との濃厚接触禁止に危機感の高さを感じる。ワクチンも薬もなく先が見えなくて、今よりずっと皆ピリピリしていたのを 思い出した。著者は無謀な行動をする人達を非難していて意識が高い人だと思って読んでいたのに、最後に入店にマスクを求められて もうこの店には来ないと怒っていて身勝手なだけだと分かりガッカリ。2022/02/08
shikada
18
コロナが姿を現した2020年3月、英国ロックダウン下で暮らした日本人の記録。いまやすっかり日常になってしまった流行り病だけど、この頃は強い非日常感があって手探りで生活していたことを思い出した。閉鎖的な自粛生活をどう楽しむかの試行錯誤の記録でもある。食事をきっちり作る描写が多くて、食事ってのはわりと生きていくうえで大事な営みなのかもしれないと思った。2022/09/26
tetsubun1000mg
12
日本とは違って感染の勢いが止まらずロックダウンに踏み切った英国の状況を知りたいと思い購入する。 筆者は京都出身で物や料理にこだわりがあるので、以前読んだエッセイが個性的で面白かった。 日本と違ってハグやキスの習慣がある国では油断するとアッという間に感染することが理解できた。 また日記形式で書かれているので英国市民の状況も紹介されてロックダウン解除にむけて緩んでいく様子も分かった。 外出で罰金刑を受けたり逮捕されるというのはショックですね。 日本もこうならないといいんですが、最近の状況は心配です。2021/01/07
K1
11
京都出身でロンドン在住の著者によるロックダウン下のイギリスでの生活を知ることができる。コロナがマスクをしない、行列には並ばないイギリス人の行動を変えた。日本でもテレワークが進んだりと必要に迫られて変わった。「しゃあない」の精神で、コロナ禍のこの状況を受け入れ、諦めずに思考し、試行錯誤を繰り返して、落としどころを探していこう。2021/10/09