出版社内容情報
《内容》 低線量・濃度による発がんリスクの科学的根拠とはなにか? また,いまだ未解決な問題をどのように考えたらよいのか? 気鋭の執筆陣による最先端科学の視点。
不要な放射線診断は避けるべきだが,必要な放射線診断を受けずにがんを含むさまざまな疾患の発生あるいは進行を見逃すような愚は避けたい。また,原子力施設から放出される可能性のある微量の放射性物質や,もろもろの環境化学物質によって増えるかもしれないがん発生「リスク」についても,できるだけ正しい知識を持つ必要がある。
本書では,これらの発がん作用とリスクに関して「わかっていること」と「わかっていないこと」を明確にしながら,研究の現状と将来への課題を解説。
《目次》
第1章 リスク評価の意義と限界(甲斐倫明)
第2章 人におけるがんとその原因(佐渡敏彦)
第3章 環境化学物質による発がん(福島昭治,前川昭彦)
第4章 放射線による発がん(清水由紀子,佐渡敏彦,大津山彰,島田義也,稲葉次郎)
第5章 放射線および化学物質の生物作用(島田義也,大津山彰,佐渡敏彦)
第6章 発がんのメカニズム(佐渡敏彦,大津山彰,島田義也)
第7章 発がんと自然突然変異(島田義也,佐渡敏彦)
第8章 放射線の生物影響研究―最近の進歩(渡邉正己)
第9章 生物進化の視点から見たがんに対する生体防御システム(佐渡敏彦)
第10章 <総合討論>発がんリスクをめぐる諸問題