出版社内容情報
藤原道長が誕生し栄華を極めるまで、古代の名族はどう栄え、滅んでいったのか?
正史に残された知られざる平安貴族の人生
日本の正史である六国史に載せられた個人の伝記「薨卒伝(こうそつでん)」。
本書では藤原氏などの有名貴族からあまり知られていない人物まで、興味深い人物に関する薨卒伝を取り上げ、平安京に生きた面白い人々の実像に迫る。
出世より仙人に憧れた風変わりな藤原氏の官人、菅原道真より優秀だった祖父の功罪、天皇に寵愛されながらも政争に翻弄された内親王、そして後世の伝説に繋がる空海の知られざる最期など、出世だけではない官人たちの豊かな感性とともに、千年の時を経ても変わらない人間の本質を描き出す。
「光る君へ」時代考証を担当する著者の新刊。原文はすべて現代語訳を掲げ、詳細な系図も掲載。
発行:JBpress
発売:ワニブックス
内容説明
藤原道長が栄華を極めるまで―。正史に残された知られざる平安貴族の人生。「出世」だけがすべてじゃない。個性豊かな官人たちの記録。
目次
第1章 『日本後紀』に見える薨卒伝(藤原継縄―平凡な名門貴族が右大臣に上り詰めた裏事情;善珠―朝廷の公式歴史書にまで書かれた宮中の噂の真相;羽栗翼―朝廷からも重宝された「帰国子女」の正体;行賀―優秀な遣唐僧が東大寺の僧に怒られた意外な理由;和家麻呂―天皇の外戚で大出世、人柄で愛された渡来系官人 ほか)
第2章 『続日本後紀』に見える薨卒伝(空海―後世の伝説へ繋がる六国史に書かれた空海の最期;甘南備高直―天皇から民衆にまで愛された皇親氏族;池田春野―長寿の官人が一度だけ脚光を浴びた理由;藤原常嗣―最後の遣唐使の大使を務めた官人の隠れた功績;藤原三守―ひとりの天皇に尽くした南家最後の大臣 ほか)
著者等紹介
倉本一宏[クラモトカズヒロ]
歴史学者。専門は日本古代政治史、古記録学。国際日本文化研究センター(日文研)・総合研究大学院大学(総研大)名誉教授。1958年、三重県津市生まれ。1983年、東京大学文学部国史学専修課程卒業。1989年、同大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。1997年、博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。