令和ファシズム論―極端へと逃走するこの国で

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令和ファシズム論―極端へと逃走するこの国で

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  • サイズ 46判/ページ数 360p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480864864
  • NDC分類 311.8
  • Cコード C0030

出版社内容情報

生活苦にあえぎ、〈ぼんやりとした不安〉におそわれる私たち。

シンプルで極端な主張をSNSなどでくり広げ、

人びとを煽り立てる〈身近な指導者〉たち。

社会が分断され、民主主義が衰弱するなか、

肯定的未来への道を切りひらく入魂の書!



===

令和の日本社会をおおう〈ぼんやりとした不安〉。その輪郭を描き出すべく、

「ファシズム前夜」を経験した、かつての日本とドイツに光を当て、

両国がファシズムに屈した背景を、財政史という観点から分析。

そこで得た基準をもちいて、現代日本の危機的状況を浮かび上がらせていく。

多くの人が生活不安をかかえるなか、「人気取り」の政策案が打ち出され、

「極端」な議論を展開する〈小さな権威主義〉が力を得ていく──。

居場所を追われる「自由と民主主義」をまもるための立脚点を探求し、

肯定的未来への道を切りひらく渾身の書!



【目次】

はじめに 

私だけが不安なのだろうか?/財政史というメスで社会を解剖する/「ポピュリズム」で終わらせない/日本社会は右傾化したのか/同時におきていた左傾化/評価するための基準を/伝統主義Aと伝統主義Bのたたかい/肯定的な未来に居場所を



第一章 歴史の転換点ではなにがおきるのか?

1 混同されるファシズムと全体主義

ファシズムという言葉/混同されたファシズムと全体主義/異なるものを等しくあつかう/「あいつ」と「私たち」/現実味のないファシズム/すべてがかわってしまう/ファシズム的な状況について考える

2 家族のふたつの顔――時代の方向感覚をもつ

社会保障の発祥の国・アメリカ/国民の家・スウェーデン/もうひとつの顔/「私たちの必要」という財政の本質/どこにいるのか どこに向かうのか



第二章 昭和恐慌からの脱出と高橋是清の苦闘

1 昭和恐慌の衝撃と不安定化する社会

蔵相・井上準之助の理論/不幸が重なった金解禁/疲弊した農村と都市の人びと/民主主義と社会主義への反動/陸軍青年将校たちの憤慨

2 積極財政への転換

高橋財政の独創性/財政と金融の一体化、錯綜する利害関係

3 決定権限の集中と政局にあけくれる人びと

日本財政の最後の守護者/政争を繰りかえした政友会と民政党/皇道派と統制派の対立/軍部の分断、政党との連携/内閣機能の強化/高橋のリーダーシップがまねいた軍部の怨念/ある政治家に任せる、ということ



第三章ファシズムへの道程でなにがおきたのか?

1 不安定化する経済、貧弱な生活保障

井上はなぜ理論に固執したのか/高橋財政の評価/所得と地域間、ふたつの格差/人びとの生活をどのように保障するのか/日本社会の根底にあった「惰民観」

2 民主主義の後退か? 不自由への逃避か?

「呉越同舟」という分断の論理/社会保障をめぐる女性の運動/高橋と社大党の共通性/批判より対案、政策よりも権力/力を発揮した官製の国民運動/日本精神へと接続した共同体主義/都市部における労働運動の状況/「ファシズム前夜」におきていたこと



第四章 ファシズムの条件をさぐる――ドイツとの対比から

1 第一次世界大戦の敗北がもたらしたもの

ヴェルサイユの屈辱とハイパーインフレーション/一党独裁を成し遂げたドイツ/一網打尽にされた中間団体

2 雇用創出から軍備拡張へ

恐慌からの脱出と緊縮財政/中央銀行にたよった複雑な財政運営/中央銀行への依存とその経済的、政治的、社会的合理性/財政の「質」から「量」への転換/充実していた

内容説明

生活苦にあえぎ、〈ぼんやりとした不安〉におそわれる私たち。シンプルで極端な主張をSNSなどでくり広げ、人びとを煽り立てる〈身近な指導者〉たち。社会が分断され、民主主義が衰弱するなか、財政史という「メス」を用いて不安の正体にせまり、最後の防波堤としての〈ラディカルな中庸〉を提唱。肯定的未来への道を切りひらく入魂の書!

目次

第一章 歴史の転換点ではなにがおきるのか?
第二章 昭和恐慌からの脱出と高橋是清の苦闘
第三章 ファシズムへの道程でなにがおきたのか?
第四章 ファシズムの条件をさぐる―ドイツとの対比から
第五章 強まる将来不安、崩れ落ちる民主主義
終章 エクストリーミズムをのりこえる

著者等紹介

井手英策[イデエイサク]
1972年、福岡県生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。日本銀行金融研究所、東北学院大学、横浜国立大学を経て、慶應義塾大学経済学部教授。かながわ福祉大学校校長。専門は財政社会学。総務省、全国知事会、全国市長会、日本医師会、連合総研等の各種委員のほか、小田原市生活保護行政のあり方検討会座長、朝日新聞論壇委員、毎日新聞時論フォーラム委員なども歴任。2015年大佛次郎論壇賞、2016年慶応義塾賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

うえぽん

57
財政社会学者が、日独の20世紀初頭の財政史の共通構造と現在との比較により、財政の本来の姿を取り戻す地道な努力の必要性を説いた本。日独ファシズム前史の共通要素として示した8つの評価軸は、政治経済社会の非健全性を示す分析ツールとして使えるだろう。財源論を中心とした財政民主主義の重要性も説く。国も地方も、財源論をセットにせず、歳出(又は歳入の削減)のみを議論する局面が多いことは、財政民主主義がうまく機能していない証左。さらに将来世代等の利害もビルトインした意思決定への努力はなお一層困難な課題と言えるだろう。 2025/08/28

Francis

16
「幸福の増税論」などの著書で民主主義的な手法で財源を確保したうえでベーシックサービスを拡充することを提唱している財政社会学者井手英策さんの最新著。単行本として書かれただけあって内容は一般向けでなく研究者向けである。井手さんのこれまでの研究成果を総動員して書かれた感がある。第一次世界大戦後のドイツ・ワイマール共和国、そして金融恐慌後の日本での高橋是清による「高橋財政」の歩みを財政史の立場から振り返り、現代との共通点相違点を探る。2024年衆院選、2025年参院選で日本政治の混迷はますます深まった。(続く)2025/09/15

chiro

2
人々に等しく機会を与えうる社会をどう構築する事ができるかを財政論の学者の視点から問い続けている著者。前作ではベーシックサービスという画期的な処方箋を提示している。著者はこの著作で現今のこの国がますます悪い方向に向かっている事に警鐘を鳴らすべくファシズムという刺激的な表現を用いているが、ここで語られている事はこの国の行く末を明示してくれており示唆に富んだ内容である。2025/09/19

Dwight

0
MMTは駄目なんかぁ。2025/09/23

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