出版社内容情報
カメラを向けると、人はついポーズをとったり、表情をつくったりしてしまうものですよね。ところが、「その場でちょっと跳んでみてください」と僕がお願いして、ジャンプをしてもらうと、その瞬間、写真を撮られるという意識がなくなって、その人の“素(す)”があらわれる。これは面白いと思い、僕は10年以上にわたって、人がジャンプする姿を撮り続けてきました。
被写体の中に、有名人は一人もいません。女子プロゴルフで活躍する有村智恵さんと原江里菜さんを撮った写真もありますが、これは有村さんがプロテストに合格した年（06年）のもので、当時はまだそれほど注目されていなかった。とくにタレントさんはジャンプをしたときも、見(み)映(ば)えや受けを考えてしまうので、あえて被写体になってもらわなかったのです。
撮影したのは、仕事の合間(あいま)であったり、旅行や散歩の途中だったりと、さまざまです。近県で仕事をした帰りだったでしょうか、農村の道を車で走っていたとき、畑で働いている男性を見つけ、車を降りて頼んでみると、収穫したゴボウを抱えたままジャンプしてくれました。
撮り続けて気づいたのは、跳びあがった瞬間に、ほとんどの人が笑顔になっていることです。人にとって飛ぶのは憧れだから、一瞬の跳躍でも幸せな気分になるのでしょう。その姿を見る僕たちもまた、幸福な気持ちになる。それは跳びあがったときの笑顔が、演出のされていない、“素の笑顔”だからでしょう。（週刊現代より転載）
内容説明
ニッポンガ、ニコジャンシテイル。究極の“笑顔”コンセプト、ニコニコジャンプ写真集。
