内容説明
女流棋士、その戦いの日々と生活の詩。妻として、母として、そして嫁として、慌ただしい生活の中で、明るい微笑を絶やさないその人が、沈黙の緊迫にみちた勝負の瞬間に生きる。その強さの源は何か、その心の詩を語る。
目次
稚内
将棋との出会い
春の日の旅立ち
内弟子時代
女流棋士と奨励会員
ライバル
結婚
出産・子育て
趣味と仕事と好奇心
果てしなきランナー〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なるときんとき
15
女流棋士中井広恵先生のインタビュー&対談本。稚内で生まれ小学六年生で上京し内弟子になり女流棋士としてデビューし、奨励会に女性が一人の環境で女流棋士としては活躍しても奨励会では伸び悩み、女性であることで軽んじられたりタイトル戦で「綺麗なほうが勝ちます」とセクハラスピーチをされたり苦労されたんだなあ。鏡花水月は、「鏡に映った花も水に浮かぶ月も手に取れない。それを見た人の感じ方は人それぞれ」という意味で、将棋の指し手も構想は人それぞれで指し手も変わるというような意味合いだそう。2019/12/12
てり
2
女流棋界のレジェンドのひとり中井さんのインタビュー本。昨今の将棋ブームの中でもほとんど表に出てくることがなく寂しい限りだが、彼女の人となりが十分伝わってくる内容。2004年8月出版の本で、その後10月に里見さんがデビューするのも感慨深い。「将棋と女性」的な視点で語られる部分が多かったが、現在里見さんを中心に「初の女性棋士」がある程度のリアルさをもって話題になる中、中井さんはどんなことを思うだろうか。2019/08/06