著者等紹介
ピィ,オリヴィエ[ピィ,オリヴィエ][Py,Olivier]
1963年生。国立高等演劇芸術学院卒。マルチ・メディア化と非言語的要素が強まるヨーロッパ演劇のなかで、なお「言語」を軸に演劇の所在を問い、一種「遊戯」風舞台を提示する作家・演出家。『オフィーリアの顔』、『常夜灯』などの長編のほか中小編の作品も多い。舞台以外に映画、テレビでも俳優として活躍。現オデオン=ヨーロッパ劇場監督
佐伯隆幸[サエキリュウコウ]
演劇評論家、学習院大学教授(2010年度で定年)。日仏演劇協会事務局長
齋藤公一[サイトウコウイチ]
20世紀フランス演劇専攻。早稲田大学、慶應義塾大学ほか講師
根岸徹郎[ネギシテツロウ]
フランス現代文学、現代演劇研究。専修大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HODGE
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『お芝居』を読んでピィの「ぼく自身」のモノローグは告解なんだな、と思った。そしてパパ、ママ、ボクの家族の物語は、フランス国家とその特別な植民地だったアルジェリアの関係に関連づけられるかのように語られるのだが、それまでの血と肉のイメージから、ここには(政治的立場は異なるだろうが)三島由紀夫を思わすところがある──つまりフランスに対する「憂国」である。ただ、この戯曲では「ぼく自身」を処刑するはずの「ぼくの死刑執行人」は、「ぼく自身」が色目を使って挑発した行きずり男であることを「ぼく」は最終場面で告白する。2015/12/31