内容説明
人生の門出の季、少年が愛犬とともに体験する冒険と試練、そして愛と友情のドラマ…。19世紀末英国の美しい田舎町や寄宿学校を舞台に、ユーモアをたたえた練達の筆致で描く感動の物語。
著者等紹介
ウォルポール,ヒュー[ウォルポール,ヒュー][Walpole,Hugh]
1884年ニュージーランドに牧師の子として生まれる。1906年ケンブリッジ大学卒業後、作家活動を開始。1941年歿
長尾輝彦[ナガオテルヒコ]
1944年長野県生まれ。東北大学大学院修了。高知大学文理学部助教授、北海道大学大学院文学研究科教授等を経て、四国大学文学部教授。北海道大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ペグ
64
主人公の少年ジェレミーの(男の子)から(少年)に移り変わる時代。一刻一刻の心模様を繊細な筆致で描かれる。ジェレミーが善と悪、倫理観、責任感を自分自身の目と心で感じ、考えて成長していく物語。わたしが住む市の図書館に置いていないことに、ちょっとがっかりした。児童文学の体裁だが、大人が読むべき一冊ではないだろうかと思っている。2018/06/14
seacalf
30
読友さんの感想から。1894年の英国、寄宿学校に入った多感期の少年の物語。少年期特有の頑固さ、すぐ傷つくナイーブさ、自分だけの英雄崇拝、すぐ高揚感で舞い上がって有頂天になる様、良いことが続くとそれだけで人生最良の日と感じられ、空想と現実が入り交じったあの日々。感じやすい心の動きがぜんぶ書いてある。すごい。まったく環境が違うのに自身の少年時代を瞬く間に思い出させる。良いシーンは沢山あるが、なかでも舞踏会での美しい人とのダンスとエスコート、父をなぶるパーシーおじさんへの立ち振舞いは鮮烈な印象を残してくれる。2018/08/04
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