内容説明
「オール電化の家を建ててから、流産を繰り返している。IH調理器が悪いと聞いたが、なぜですか」。電磁波関連の取材先で、ひとりの女性に問われた。IH調理器は、電力業界が進めるオール電化の旗頭だ。数百ミリガウスの強い磁場が出てもお構いなし、法的規制は無いに等しく、電機・建設業界と提携して広まった。16ミリガウス以上で流産のリスクが高まるとの欧米の研究報告があっても、国内では報じられず、国と業界ぐるみで電磁波は安全だからと宣伝を続ける。WHOの要請で日本でも本格的な疫学調査が行われ、送電線からの小児白血病発症リスクが明らかになってもこれを隠蔽する政府。日本は電磁波公害が野放しで、携帯電話5Gの普及でますます危険な国になっている。本書は、電磁波公害を追い続ける元朝日新聞記者がその実態をレポートし、対処法を提案する。
目次
序章 電磁波の正体と基礎知識
第1章 現代のカナリアたち
第2章 激増する電磁波、むしばまれる健康
第3章 激増する電磁波、発生源は
第4章 自衛策、どうしたら電磁波被害を防げるか
第5章 有害のメカニズム
終章 電磁波放任は国策、検証と提言
著者等紹介
松本健造[マツモトケンゾウ]
1948年福岡県生まれ。1973年京都大大学院修士課程修了。朝日新聞社に入社。地方勤務の後、社会部や科学部で取材記者。調査報道によって、1980年代後半に続発したオートマチック車の暴走などの欠陥車問題や、企業が社員に無断で保険加入させて死亡保険金を独占する悪習「団体定期保険」問題などを手がけた。2004年4月から地方記者勤務(高崎支局、平塚支局、大牟田支局、日田支局)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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